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2018年2月27日火曜日

イ・ソンヒの本歌取り

ファンながら、イ・ソンヒのコンサートで、観客の気質が日本とだいぶ違うことを意識することがある。韓国らしい、地から押し出すように彼女が歌うときだ。

イ・ソンヒのコンサート後半に歌われる曲がある。そのとき、会場は熱狂し沸騰する。(最近にいたり)四、五十代中心の観客にもかかわらず、彼らは席を立ち、ペンライトを振って一緒に歌う。そんな光景が毎回見られる。

彼女の第1集所収の「あ! 昔よ(아! 옛날이여)」(1985年)、第4集所収の「美しい江山(아름다운 강산)」(1988年)がそれだ。面白いことに、これらには原曲があって、彼女に < 本歌取り > されたといってよい。今では彼女の持ち歌となり、国民歌謡的な存在でもある。

(”あ! 昔よ”、”美しい江山”)


<あ! 昔よ>
以前、ブログに紹介した一部を抜粋する。(大衆音楽評論家・ジャーナリストのパク・ソンソによる、第1集リマスター版「アルバム紹介」より)
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・「あ! 昔よ」も他の歌手によって先に発表されたが、埋れていた歌であった。歌手チン・ピレによって1年余り前の83年5月に発表された当時、歌の題名は「その時と今」(パク・ゴンホ作詞、ソン・ジュホ作曲)」。この歌もまた、イ・ソンヒによって始めて光を見た歌だ。このようなエピソードは単に偶然な幸運でなく、多少運命的だと見なされる。はじめて歌が主人に会ったことと解釈される部分でもある。
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(原曲)

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<美しい江山>
ある意味、時の政権への反抗を秘めたといわれる、原曲作者シン・ジュンヒョン(申重鉉、신중현、1938年1月4日~)を象徴的な存在にした「美しい江山」は、思いっきり官能的に仕上げられた。
これも以前、ブログに紹介したことだが、1973年「NOW」に収録されている官能的なキム・ジョンミ(김정미)の歌をサイケデリック ロックの観点から、大衆音楽評論家カンホン(강헌)は、次のように解説している。(一部抜粋)
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・「美しい江山」のオリジナルボーカルがキム・ジョンミということは、大衆的にあまり知られていない。(バンドThe Men(더멘)と共による版とソロの版がある )
・キム・ジョンミの「美しい江山」を聞けば、今までの「健全歌謡」のサウンドが完全にひっくり返る破格的な響きに聞こえてくると記している。
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それが、イ・ソンヒの手にかかると、彼女の特徴である健全さ、清潔さと融合して、国民に浸透する歌謡になる。

(原曲)

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