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2018年1月3日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」罷経

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2017/12/27)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、念仏(罷経(파경))に関連する曲を紹介した。(キム・ボエさんによる、昨年最後の放送から)

始めに、昔から人びとは、その風土の中で、神を身近に暮らしていたことを次のように紹介された。
・世に、多くの人々が信じるさまざまな宗教がある。インドに3億もの神があり、ネパールに今も少女の生神がいる。日韓にも多様な神々がいる。山に山の神、家に家を守る神、家の中にも、敷地を守る神、子供を守る神、台所、井戸、ひいては手洗いにも神がいた。昔は、生まれてから死ぬまで神と一緒と考え、伝統的な日や誕生日に、神々に祈った。
・昔、盲(めいし)の人(僧)が<門付>しながら、経を唱えた。家族の平安を祈って歌う「罷経」で、あらゆる悪鬼をなだめ、家から追い払う内容で、目的なく彷徨う神や、悔恨を残して死んだ魂をなだめる。祭祀後、食物を少し器に入れて、屋外に置き、悪鬼がそれを食べると出て行くと信じた。悪鬼を呪うかわりに、食べさせてなだめようとした。

▼ <悪鬼を追い出す内容の歌>「罷経」を聴く。鼓の響きと合わせて、シャーマニズムの香りがしてくる。

次に、昔の人々の、神々との独特な関わり方について次のように紹介された。
・神は、全知全能で人々を見守ったり、罰を与える存在と思いがち。昔、人々は、神も人間と似て、先に心を開けば、神も自分に良くすると信じた。最善を尽くしても神が関心を示さねば、仕える必要がないと考えた。船が難破の危機にさらされて、海で溺れかけた船乗りは、神を象徴するものから先に捨てた。船を守らぬ神は要らぬと、神前で振舞った心境が分かる。
・「クッ(祭祀を捧げる、祭儀:굿)」の歌に「大監ノリ(대감놀이)」がある。本来、ソウルとその近郊の京畿道、今の黄海道地域で祭祀を捧げるとき歌った。「大監」は、巫女が神を祭る尊称で、大監を喜ばせると良いことがあると信じた。京畿地域の歌い手は巫女でないがうまく披露した。

▼ 「大監ノリ」を聴く( ← ノリ:놀이には「遊ぶ」の意もある)。楽しく神との対話、憑依を感じるよう。

最後に、布施の念仏の曲「報念보렴)」について次のように紹介された。
・布施の念仏という意の曲「報念」がある。昔は、寺に住んで村を回りながら歌や踊りを披露した歌い手(寺堂牌(사당패))がいた。その時、人々を祝福するため歌った曲だ。

▼ <国の平安を祈り、全てのことが順調であることを祈る>から始まる「報念」を聴く。ありがたい言葉だろうな・・・。