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2018年2月21日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 御馳走

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/14)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、パンソリ「興甫歌(흥보가)」、「春香歌(춘향가)」にまつわる馳走の話を紹介した。

始めに、韓国の正月は旧正月「ソルナル(설날、元日)」を採用していることについて次のように紹介された。
・韓国の日常生活はほとんど陽暦基準だが、正月は旧正月(陰暦)の「ソルナル」を採用している。ソルナルは一年の始めであり、民族精神を継承する日でもあるが、最近は、遠くにいる家族が集まる日の意味合いが強いようだ。正月を控えるころ、祭祀やもてなし料理を作る家庭も多い。パンソリ「興甫歌」にも馳走を準備する場面がある。

▼ 「興甫歌」から「ノルボが興甫の家を訪ねる場面(놀보가 흥보집 찾아가는 대목)」。(兄弟もままならず)

次に、パンソリ「興甫歌」で、善人の弟「興甫」の妻への、兄「ノルボ」が嫌がらせについて次のように紹介された。
・パンソリ「興甫歌」で、意地悪な兄「ノルボ」は、寒い真冬に、善人な弟「興甫」家族を追い出し、食糧が尽き訪ねて来た興甫を、殴って追い返す。そんな兄が、弟が金持ちになった噂を聞き駆け付ける。興甫の妻はノルボを招くが不満だが、家族なので馳走の準備をした。それも溢れるほど豪勢に・・・見返したかったのだろう。ノルボもそれに気づき嫌がらせして、興甫の妻に、酒を勧める妓生が歌う「勧酒歌(권주가)」を歌わせようとした。興甫の妻の怒りはいかばかりだったか。

▼ 「勧酒歌」として「萬壽山(만수산)」の曲を聞く。(王の長寿を願うか)

最後に、パンソリ「春香歌」で「李夢龍(이몽룡)」への勅命と春香との別れについて次のように紹介された。
・パンソリ「春香歌」にも「勧酒歌」の場がある。王の勅命で地方に遣わされた「李夢龍」は、物乞いの姿をして地方官の宴を訪ね、飲食で、妓生の勧酒歌がないと飲めぬと言う。妓生は仕方なく酒を注ぐが、彼が王の勅命を受けてのこととは知らず、<一生物乞いをするように> と歌い呪った。李夢龍が科挙の準備に都漢陽へ向かうとき、春香は彼のため食事を用意した。その中身が、京畿雑歌「出引歌(출인가)」で歌われる。青唐辛子、塩漬けのキムチ、たこ、アワビなど、心を込めた数々の膳だ。愛する春香を置いて、漢陽へ向かう李夢龍の足も重かったろう。

▼ 京畿地域の雑歌「出引歌」を聴く。(心を込めて料理が次々と並ぶ)