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2017年10月25日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 風具音

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/18)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「風具の音(ね)(プングソリ、풍구소리)」ほか関連する曲を紹介した。

始めに、風を利用した農具「風具(唐箕풍구)」から「風(바람)」の別意について次のように紹介された。
・「風具(唐箕:とうみ)」は、風を起こす農具で、穀物を入れて籾殻(もみがら)を飛ばすのに使った。取っ手を回し、扇風機の羽状のものを回転して風を起こす。穀物を、重い穀と軽い”しいな”や塵など選別した。また、木製の筒に穀物を入れて回し、殻を取るものもある。地域によって形状や大きさが違い、小さいものは、釜戸で火を焚き、鍛冶屋で火力を高めるのに使った。風具は「風」といい、風=浮気の意から、西道民謡「風具音」の曲名は、浮気者の夫を恨む妻の心を表現する。

▼ 「風具音」を聴く。アカペラ合唱で今様に表現。

次に、昔の女性の行動から海辺の歌「ナナニ打令(나나니타령)」について次のように紹介された。
・昔、女性は、男性に比べ行動範囲が狭かった。身分の高い家柄の女性も外出は容易でなかった。一般の民は働かねばならないし、出かけるのは田畑くらいだった。他人を気にせず自分の気持を表せるものに歌がある。民謡に。女性の気持ちを表わすものが多い。長い歳月、口伝される中、詩のように美しく整った表現もある。

▼ 仁川の海辺の女性が <嫁入り暮らしに愚痴をこぼす>歌「ナナニ打令」を聴く。ふつふつ湧き出る響き。

最後に、黄海道生まれの夫婦(妻차영녀、夫김필운)の歌い手について次のように紹介された。
・この「ナナニ打令」を歌った女性とその夫は、共に黄海道甕津郡生まれ。「朝鮮(韓国)戦争」時に避難して仁川に定着した。妻の父は船主、夫は船乗り。そんな縁で知り合って結婚、一生海辺に暮らした。音楽と共に過ごした夫婦は美しい。

▼ <豊漁祈願や船を迎えるときに歌った>黄海道民謡「 ベチキの音(배치기 소리)」を聴く。まさに空気も伝わる。