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2017年7月26日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」興甫歌・・・悪者役

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/19)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、パンソリ「興甫歌(흥보가)」などの悪者役に関連する曲を紹介した。

始めに、物語のキーになる悪役、パンソリ「興甫歌」の意地悪な兄「ノルボ」について次のように紹介された。
・映画やドラマは、俳優の演技力とシナリオの良さが重要だが、時に悪者役や面白いキャラクターも必要で、観客はそこに集中する。伝統芸能「パンソリ」にも、そんな存在がいる。善人な弟「興甫」が怪我をしたツバメの脚を治し、ツバメが運んできた「ふくべ(瓢箪)」のおかげで金持ちになる。その話を聞いた意地悪な兄「ノルボ」が、ツバメの脚を怪我させて、治そうとする。「興甫歌」は、ノルボの呆れ果てた話から始まる。金持ちになった興甫を一番先に訪ね、何かもらおうとするノルボの性格がよく分かる。

▼ パンソリ「興甫歌」から、「ノルボの意地悪打令(놀보 심술타령」を聴く。抑揚を豊につけて聞かせる。

次に、パンソリ「沈清歌(심청가)」の「意地悪ばばあ(뺑덕어멈)」について次のように紹介された。
・ノルボの意地悪さは、常人に真似ができぬレベルで、自分の利益に関わらず、他人をいじめるのを楽しむ性格だ。他のパンソリで、「沈清歌」にも、そんな人物が登場する。意地悪で不細工な女を「意地悪ばばあ」というが、「沈清歌」の主人公「沈清」の継母がそう呼ばれる。利益の有無を考えず、とにかく意地悪する「興甫歌」のノルボと少し違い、目の不自由な沈清の父に、金目当てに近寄る彼女は、他人を気にせず、自分の利益だけ考える。どちらが悪者か、順位つけも容易でない。

▼ パンソリ「沈清歌」から、「意地悪ばばあの行い(뺑덕어멈 행실)」を聴く。空恐ろしさが漂うよう。

最後に、部下を考えぬ三国志の武将「曹操」を描いた、パンソリ「赤壁歌(적벽가)」について次のように紹介された。
・中国の三国志の一部を描いたパンソリ「赤壁歌」に登場する一人に、武将の「曹操」がいる。赤壁の戦いで多くの兵士が犠牲になるとき、曹操は自分の命ばかりに気をとられた。生き残った兵士と山を越えるときも同じだった。組織のリーダーがこんなキャラクターでは大変なことになる。兵士たちも曹操に歯向かおうとした。曹操が、そんな兵士たちを一々相手にする場面もある。

▼ パンソリ「赤壁歌」から、「曹操が兵士を点呼する場面(조조 군사 점고 대목)」を聴く。身近に聞く愚痴のようとのこと。