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2017年3月8日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 アリラン

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/1)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「アリラン(아리랑)」に関連した曲を紹介した。(本放送を未聴のため英語版紹介を参照した)

※ 朝鮮民謡として知られる「アリラン」については、今まで繰り返し詳細に放送でされている。重複を避けたが、次の「本ブログ関連」のリンク先で従前の内容を確認することができる。

(本ブログ関連:”アリラン”)

記録に残る「アリラン」の歌の採集について次のように紹介されている。
ホーマー・ハルバート(Homer Hulbert、1863年~1949年)は、20世紀初頭、朝鮮王朝の最後に米国から来た宣教師(歴史家、言語学者)で、政治的困難な時代の高宗を(外交顧問となり)助けた。(1905年の「第二次日韓協約(乙巳条約)」締結の際、それに抗して密使として米国に渡る)
彼はまた、「アリラン」を楽譜に書き写した最初の人物であり、「朝鮮の人々の主要な歌」として西洋に公開した。
・音声学者ヴィルヘルム・デーゲン(Wilhelm Albert Doegen、1877年~1967年)は、第一次世界大戦中の1915年、プロイセン蓄音委員会の委託を受け、民族学研究として、ドイツの捕虜収容所に収容された様々な民族兵士の言語と民謡を録音した(215民族の音声などを収集)。ドイツ当局が録音した曲に、ロシアに従軍した朝鮮(高麗)系兵士によって歌われた「アリラン」があった。最も不確かで恐ろしい状況でも、「アリラン」が朝鮮人のアイデンティティを維持するのを助けた歌であることを示した。

(雑談)本当は誰なの

世の中には可笑しな話がある。先日、ある映画の上映会に出かけた途中、商店街で見かけた<たい焼き屋>の看板が「天然たいやき」と銘打っていた 。客が数人並び、まさに採れたてのたい焼きを待っていたのだ。

<出自>を天然と誇るたい焼きがあるのなら、筒井康隆の短編に、<出自>を「本家」・「元祖」と競うターザンが登場するスラップスティック・コメディがある。観光地の名産みやげ物屋に見かけるものだ。また、見世物小屋で有名な話だが、由緒正しき「義経幼少のみぎりの頭蓋骨」なんてものもある。脱皮するヘビだって、骨まで次々と残さない。

落語に、自分の死体を引き取りに行く「粗忽長屋(そこつながや)」がある。お前の死体を見つけたと知らせるやつも粗忽だが、真に受けて取りに行くのも・・・。しまいに、死体を運んでいる自分が誰だか分からなくなる。あるいは、自分の頭にできた池に最後に身を投じる「頭山(あたまやま)」もそうだ。池に沈んだのは自分なのかどうか、これも分からなくなるだろう。

まあ、こうやって話を眺めているうちはいいけれど、自分が誰か分からなくなることもあれば、自分以外、誰も分からなくなることもあるだろう。この場合はもっと切実なことだ。必死に自分を取り戻したい気持ちがよく分かる。

もしかしたら、映画「怪しい彼女」のファンタジーは、おばあちゃんが孫に輸血するとき見た一瞬の夢だったかもしれない。若いときの自分を取り戻したかったのかもしれない。

(本ブログ関連:”怪しい彼女”)