KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/20)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、冬に生きる人生に関連する曲を紹介した。(「冬至」(12/22)の2日前に放送された内容)
始めに、朝鮮中期の妓生「黄真伊(황진이)」が歌った「冬至月(동짓달)」について次のように紹介された。
・冬至の陰暦11月を、韓国では「冬至月」ともいう。この季節、人を想い望む夜は、孤独で長い。最高の妓生と呼ばれた「黄真伊」は、そんな夜に「冬至月」を歌った。< 春になれば、凍った川が溶けるように、その人も訪ね来るだろう。その夜を、今宵に置き換えたい > という。天下の妓生、黄真伊がそれほど想った人とは、いったい誰だったろう。
▼ 黄真伊の「冬至月(동짓달)」の歌を聴く。まるで、詩吟のように余韻を響かせる。
次に、冬に、悪人の兄ノルボの家から追い出された、弟興甫(フンボ、흥보)一家の窮状について次のように紹介された。
・パンソリ「興甫歌」(흥보가)にも、冬の場面がある。兄ノルボに世話になっていた弟興甫を、兄は或る冬の雨降る日に追い出してしまう。温かくなってからという思いもない。兄の横暴振りが分かる。なぜ年の末だったのか、兄ノルボは、弟興甫一家が兄の財を無駄にしたと思い込み、急に怒りをこみ上げたのだろう。余りの仕打ちの辛さに、弟夫婦が抱き合って泣いているのを、僧侶が家の敷地を探してくれた。弟は、その家に移った後、足を怪我したツバメを治したことで、宝物の瓢箪を手にし、大金持になる。
▼ パンソリ「興甫歌」から「家の敷地を探してくれる場面(집터 잡아주는 대목)」を聴く。静かに語り聞かせるよう。
最後に、パンソリ「赤壁歌(적벽가)」で、諸葛孔明(葛亮)が祭壇で祈る場面について次のように紹介された。
・パンソリ「赤壁歌」には、孔明が、曹操の軍と向かい合っていたときに、思いの向きに風が吹くよう心を込めて祈りを捧げる場面がある。勝つためは、曹操の船に火を付けなければならない、ちょうどそのとき、冬の<北西の風>が吹いた。孔明は、祭壇を築いて祈ったところ、(季節がらむつかしい)<南東の風>が吹いた。祈らなくとも風は吹いたろうという人もいた。しかし、孔明の祈る姿を見て、兵士たちも気を取り直し、心をかためたことだろう。それが、孔明の狙いだったかもしれない。
▼ パンソリ「赤壁歌」から、「南東の風を祈る場面(동남풍 비는 대목)」の歌を聴く・・・火攻めの策を計る。