ブログ本文&資料

2017年6月14日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 麦刈りや脱穀に関する曲

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/7)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、麦刈りや脱穀に関する曲を紹介した。

始めに、朝鮮21代王「英祖영조)」が、「貞純(정순)」を王妃に選んだ逸話について次のように紹介された。
・朝鮮時代、最も長生した王と知られる21代王「英祖」は、在位期間52年、82歳まで生きた。60代で最初の王妃を亡くすと、66歳にして51歳下の「貞純」(15歳)を王妃に迎えた。ところで、彼は王妃を選ぶ際、候補たちに「この世で最も高い峠(コゲ:고개)は何か」と問うた。そのとき、貞純は、「麦(ボリ:보리)」と「峠(コゲ)」を合わせた、「春の端境期」の意を持つ「ボリッコゲ(보릿고개)」と応えた。この言葉を最近聞かないが、昔は農民の暮らしに直結した。食糧が底をつくと植物の根など食べたが、栄養失調で命を失うことも多く、貞純が「ボリッコゲ(別名「春窮期」)」を最も高い峠と応えたのは、それだけ農民の暮らし振りを理解しており、ために王妃に選ばれたという話につながる。

▼ 慶尚道地域の麦打ちの曲「オンヘヤ(옹헤야)」を聴く。ドイツ人が韓国民謡をアメリカンフォーク風に演奏する。

次に、麦の脱穀の歌「オンヘヤ」について次のように紹介された。
・今は麦刈りから脱穀、袋入れまで作業を全て機械が行なう。昔は、作業を人が行なった。脱穀では、長い棒に木の枝を結び付けた「殻竿」を使い、これで麦を打ち落とした。一日の脱穀作業に疲れたとき、「オンヘヤ」を歌って仕事のテンポを合わせた。「オンヘヤ」は、本来ゆっくり歌ったが、歌手が歌うようになって、テンポも速く、楽しい民謡となった。最近、若いミュージシャンが、モダンに編曲して演奏することも多い。

▼ 済州島の麦の脱穀の歌「脱穀の音(타작소리)」を聴く。満腹の期待を込め、元気が湧いてくる民謡。

最後に、病苦の詩人韓何雲(한하운、1919年~1975年)の詩「麦笛(보리피리)」について次のように紹介された。
・麦は晩秋に芽が出て、春に収穫する。麦が実る頃、子供たちは麦わらの茎を笛の形に削って吹いたり、麦を焼いて食べたりした。詩人「韓何雲」の詩に「麦笛」がある。ハンセン病に苦しんだ彼の詩は様々な活動をしながらも、寂しい生活をした。「麦笛」の詩は、子供の頃麦笛で遊んだ記憶の中の故郷を懐かしむ作品だ。

▼ 「麦笛」の曲を聴く。楽しい思い出だけが浮かんでくる、そんな懐かしさもあるだろうから。今様に。