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2017年5月3日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 ノレカラク

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/26)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、京畿民謡「ノレカラク노랫가락)」他、京畿地方に関連した曲を紹介した。

始めに、元々巫女が歌った京畿民謡「ノレカラク」について次のように紹介された。
・国土に比べて山や渓谷が多く、他村への移動は容易でなかった。村ごとに独特な話し方と風習があり、民謡も地域差があった。半島南部の全羅道を中心に伝わる「南道民謡」は、太めの声で深い響きがあり、一方、北部に伝わる「西道民謡」は、鼻声が特徴。ソウル付近の京畿地方に「京畿民謡」があり、中央と人と物が往来しただけに、歌も明るい。
・京畿民謡「ノレカラク」は、歌の意で、「ノレ」は歌、「カラク」はメロディーを指す。ノレもカラクも同じかと思われるが、昔、階層によって呼び方が違った。支配階層が歌うのは「歌(ノレ、노래)」、民が歌うのは、「雑歌」から、「音(ソリ、소리)」、「カラク」などと呼ばれた。「ノレカラク」は、支配階層の楽しんだ歌詞を民が歌う意がある。元々、巫女が祭祀を捧げるときに歌ったものが民間に広まったものだ。

▼ <伴奏を聴くだけでも親しみが感じられる>という京畿民謡「歌調べ」を聴く。どこか大衆歌謡風で聞きやすい。

次に、京畿民謡の「京畿雑歌」の「フィモリ雑歌(휘모리잡가)」について次ように紹介された。
・京畿民謡は、誰もが簡単に歌えるものや、専門の歌い手でないと歌えないものがあった。そんなジャンルを「京畿雑歌」といい、長い歌をおとなしく座って歌ったり、立ちっぱなしで太鼓を叩きながら踊り歌ったりした。ユーモアのある歌詞を速いテンポで歌う、「フィモリ雑歌」という歌い方に、「蛙打令(맹꽁이타령)」がある。

▼ フィモリ雑歌で<強情な人を蛙に例えた>「蛙打令」で<都会人を蛙に例えた>ものを聴く。次々止まらない・・・

最後に、シャーマニズムの儀式「クッ(굿)」の「テカムノリ(대감놀이)」について次のように紹介された。
・シャーマニズムの儀式「クッ」は、巫女が供物を揃えて歌い踊る。かつて迷信といわれたが、最近、伝統的文化と捉えるようになった。神を最良にもてなす意で、巫女は着飾り優れた歌と踊りを披露する。儀式は、芸術的レベルと見られ、民間音楽にも影響を与えた。財運など縁起の良いと言われる「テカムノリ」がある。「テカム」は巫女が神を呼ぶときの呼び方で、「テカムノリ」は神を祀(まつ)る儀式を指す。

▼ <巫女が敷地神を祀り踊る(楽しく遊ぶ)厄払い>「テカムノリ」を聴く。掛け合いはないが次の映像も楽しい。

(ステージより民間での儀式を見る方が雰囲気が伝わる)

(Youtubeに登録の천승요に感謝)


(追記)
公園の帰り道、滅多に通ったことのない裏道の並木道で、急に目の前に何かが落ちてきた。怪しい気分になり、上着を脱いで見たところなんと、(ネットによれば)「返り襟」という、首からつながった襟の胸のあたりに、鳥のフンが白く! ・・・ 郷土館に駆け込んで水洗いしたが。シャーマニズムでは、鳥は魂を運ぶというが。記憶にある限り、人生で2度目のこと。