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2017年5月30日火曜日

アナベル・リー

青春はなつかしい。でも、そんなにいい思い出がない。なければ作ればよい。でも、美しいままに密かに置いておきたいものもある。

昔、テレビのSF番組「アウターリミッツ」で、たしか「グリーンスリーブス」の旋律が流れ、森の奥深く迷った少年が、古式な館にひとり住む少女と出会う。つかの間のことだった。時空はやがて戻り、朽ちた館を残して少女は消え去る。

(本ブログ関連:”アウターリミッツ”)

ブラッドベリのSFファンタジー集「10月はたそがれの国」に納められた「みずうみ」では、新婚旅行の途中に立ち寄った湖のほとりで、若者は子どものころに、ここで一緒に遊んだ少女の姿と再会する。昔、水死したときのままの少女と。

(本ブログ関連:”10月はたそがれの国”)

始まりになぜかPPMの「パフ」を思い出す、エドガー・アラン・ポーの詩「アナベル・リー」に、やはり少年の思い出作りが聞こえてくる。木枯らしの夜に命を奪われた少女を回想する。どこか納得に似た、甘味で残酷な魔法の世界を感じる。


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