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2017年3月18日土曜日

(雑談)ことば

イ・ソンヒの歌を、歌詞の主人公の心象を想定し、日本語風に女性表現を付したものを、教室の先生に見ていただいたところ、首をかしげられたことがある。女性の語尾表現の「~だわ」、「~のよ」、「~なの」、「~のね」などがしっくりしないという。韓国語には、男女の区別がないからだそうだ。

日本映画に韓国語字幕を付ける字幕翻訳家が新聞に紹介されていた。中央日報(日本語版)の記事、「『Love Letter』『君の名は。』など韓国でヒットした日本映画の翻訳家は誰?」(3/17)は、字幕翻訳家カン・ミンハ(강민하)とのインタビューで、次のような話を伝えている。(抜粋)
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・・・『君の名は。』は男女主人公の身に起きた「入れ替わり」によるハプニングが登場する。東京に住む少年の瀧の身に入れ替わった田舎少女の三葉が女性語と方言を一緒に使うことを周りの人が不思議に思う部分がある。カンさんはこのような部分を訳すことにかなり苦労したという。韓国語には日本語のように男性語・女性語がないためだ
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ところで、日本で活動する男性K-POP歌手が、日本語を喋るとき、なよっとした口調になることがある。音楽事務所の特訓に語学研修があるそうで、もしかしたら指導者が女性だったのではないかと思ったりする。男性語・女性語のない世界にいれば、指導者の口調に一致してしまうのは自然なことかもしれない。

昔、駐留軍のGIたちが日本語を使うとき、女性言葉を使うものがいたという。頑張って日本語で話そうとしているのだろうが、それを学んだ先が女性だった。

ちなみに先日、BBCの放送で、釜山大学ロバート・ケリー准教授が朝鮮半島の政情について報告していた画面に彼の幼子たちが意気揚々と次々乱入し、かつ慌てながらも収拾した妻の活躍ぶりが話題になった。彼の妻は韓国人である。
ハンギョレ(日本語版)によれば、彼のプロフィール紹介に、「(当り前だが!)英語以外にドイツ語、フランス語、ロシア語、ラテン語、古代ギリシャ語を駆使するという。」とある。韓国語も多分、そう(駆使する)だろう。