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2017年2月22日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 春香の歌

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/15)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、パンソリの主人公の「春香(춘향)」や「沈清(심청)」に関連した3曲を紹介した。

始めに、パンソリ「春香歌(춘향가)」の物語と、それと異なる逸話について次のように紹介された。
・民族芸能のパンソリは、「興夫歌(흥보가)」、「沈清歌(심청가)」、「春香歌」、「赤壁歌(적벽가)」、「水宮歌(수궁가)」の五つが伝わる。歴史を素材にした「赤壁歌」以外は、伝説をまとめたもので、「春香歌」は妓生の娘の春香と御曹司の李夢龍(이몽룡)の愛の物語。春香は美しい娘、李夢龍は科挙に合格の高官として登場する。ところで、従来と一風変わった説話では、春香を不細工、李夢龍も頭の芳しくない親の財で遊び歩く暇人という。ある日、李夢龍はブランコ그네)に乗った春香を見て、両親の反対を押して結婚する。いざ結婚をしてみると、見初めたときの春香でなく違いに驚く。李夢龍は家を出て戻らず、春香は自ら命を絶つ。村人が、そんな春香の霊を慰めるため作ったのが、パンソリ<春香の物語>という。


(Daumに登録の유박사に感謝)

▼ <アニメとパンソリが融合した>作品から「余りにも不細工な春香(너무도 못생긴 춘향)」を聴く。既視感が・・・。

次に、パンソリ「春香歌」の春香の悲恋の背景、現代に置き換える想像について次のように解説された。
・パンソリ「春香歌」では、春香は美しく学問にも素養のある意志の強い人物で、李夢龍が科挙試験に去った後、後任の地方官の誘いに応じなかった。その後、李夢龍が「民情を探るために密かに地方を巡り、民をいじめる者を罰する」勅命を奉じて、わざと乞食姿で現れる。春香の母は、春香の辛い境遇を嘆き李夢龍を諌める。そんな母を春香は引き留めたが、気持ちはいかばかりだったろう。自分が死ぬ羽目になっても、乞食姿の李夢龍のため節義を守りたかったのか。妓生の娘と両班の御曹司の結婚事体、当時の常識とは合わなかった。仮に物語りが現代としたら、春香はどうなったろうか。

▼  春香の物語りが現代としたらと歌った曲「李夢龍」(プロジェクトロック)を聴く。今様の元気良さ。

最後に、「沈清歌」の主人公「沈清」の想いについて次のように紹介された。
・「春香歌」は節義、「赤壁歌」と「水宮歌」は国への忠誠、「興夫歌」は兄弟愛、「沈清歌」は親孝行を強調する。パンソリに人々の情動が自然でないことがある。最近、そんなパンソリの主人公をモダンに斟酌した曲が多い。
・「沈清」は、盲の父の目を治すため、自らを犠牲にした物語だ。父のために船に乗って去った彼女の思いは複雑だったはず。親孝行な娘だったが、なぜこんな目に合わねばならなぬのかという、恨みもあったかもしれない。そんな想いを表現した。

▼ 沈清の複雑な想いを表現した「清、海になる(청 바다가 되다)」を聴く。悲しみの海は黒く、浪は深い・・・今様で。