KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/17)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、花に関連した3曲を紹介した。
始めに、新羅(神文王)時代、薛聡(설총、658年~?)が王に語った「花王戒(화왕계)」について次のように紹介された。
・薛聡は、名僧元暁(원효)の息子で知られる一方、優れた学者でもあった。ある日、王から薛聡に、気分転換の話を求められて、「花王戒」(戒花王、계화왕)の話しをした。<或る日、花の王に、バラとオキナグサが、自分を臣下にして欲しいと訪れた。バラは妖艶で美しい姿を、オキナグサは浩然の気を掲げ、王を元気にして毒を除去すると主張したが、王の心は、既にバラへ傾いていた。オキナグサは、王は正直者を近くに置き、邪悪な者を遠避けなければならぬのに、そんな王は滅多にいないと嘆いた。それを聞き、王は心を正した。>と語った。薛聡は、王の本分を花の世界に例えて悟らせた。この物語りから思い浮かぶのに、牡丹の花の歌がある。
▼ 朝鮮後期の女唱歌曲(가곡)「牡丹の花は(모란은)」を聴く。色々な花をいろいろにたとえ、洗練して歌う。
・上記「牡丹の花は」は、様々な花を擬人化して歌う。<赤い色彩が目を引く牡丹の花は富を象徴して花の王という。また、太陽だけを見つめるヒマワリは忠誠な臣下。泥中で育つのに泥に染まらぬ蓮の花は君子。あんずの花は小人。菊の花は隠れて暮らす学者ソンビ。梅の花は意思の強いソンビ。ユウガオは老人。小さいセキチクは少年。タチアオイは巫女(巫堂)。ハマナスは遊女。梨の花は詩人。そして、桃の花は風流をたしなむ男。>を指す。
次に、夏を盛りに咲くヒマワリ(向日葵)について次のように紹介している。
・この時期のヒマワリは、一日中太陽を見つめ、見た目も太陽に似る。広い場所にぎっしりと咲く様は、実に美しい。
▼ ワールドミュージックグループ「共鳴」の曲、「ヒマワリ(해바라기)」を聴く。軽快に今様に奏でる。
最後に、江原道太白市の「九臥牛(구와우)村」で栽培される、ヒマワリやキキョウ(桔梗)について次のように紹介された。
・東部、江原道太白市の咸白山に、九匹の牛が横たわる意の九臥牛村がある。この地域では、毎年、太白ヒマワリ祭りが開催され、丘がヒマワリでいっぱいになる。その数、何と100万に至るという。まるで、ゴッホの絵の中にいるよう。ヒマワリは花よりも、種を作るため栽培する。種は健康食品として、またサラダオイルやアイスクリーム、菓子などに活用される。他に、美しい花を咲かす農作物、キキョウの花がある。おかずや薬になり、特に喉に良いとされる。
▼ ソウル近郊の京畿民謡「桔梗打令(도라지 타령)」をカヤグム演奏で聴く。ギター曲のように爽やかに今様に編曲して。
・「桔梗打令」は、国楽演奏の若手ミュージシャンもよく編曲して演奏する。キキョウは、紫や白の花を咲かせるが、本当にキキョウかと思うほど上品だ。この花は民謡によく登場する。