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2016年3月23日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 甫吉島と尹善道

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/16)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、全羅南道南岸にある甫吉島(보길도)と、尹善道윤선도、1587年~1671年、号は孤山)に関連した3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”尹善道”)

始めに、全羅南道南岸の小さな甫吉島と朝鮮中期の尹善道について次のように紹介された。
・全羅南道南岸の島「甫吉島」は、美しい景観で知られる。ソウルから木浦まで、最も速い列車でも4時間近くかかる。そこから半島最南端の海南に車で1~2時間近くかけて、さらに船に乗り1時間程の距離にある。交通が発達した今も遠い。徒歩で移動した朝鮮時代、もっと時間がかかったはず。でも、甫吉島は一度は行ってみたい自然の美しい所だ。また、朝鮮時代の代表的詩人、尹善道が詩作した場所でもある。

▼ (管)ソグム、(擦弦)ヘグム、カヤグム演奏「甫吉島の朝(보길도의 아침)」を聴く。長閑な朝の情景を今様に彷彿させる。

次に、尹善道が甫吉島に居たいきさつと、彼の作品「五友歌(오우가)」について次のように紹介された。
・尹善道は学者、政治家、そして優れた詩人でもあった。政治に空しくして世俗を去る決心し、済州島へ向かう。途中、暴風に遭い、寄ったのが甫吉島で、景色に魅せられここに変更する。芙蓉洞부용동)に池を作り、そばに東屋を建て、舟遊びと風流を楽しんだ。芙蓉洞の山麓に庭園を作り、茶を楽しみ書を読む。ここでの作品の「五友歌」は<わが友が何人かと聞かれれば、水と石、松と竹、そして月の明かりだ>という内容だ。自然を友として暮らす風流を表した作品だ。

▼ 「五友歌」から、「わが友の数は何人だろう(내 벗이 몇이냐)」を聴く。風流に自然に親しむ如く。

最後に、尹善道の子孫、尹偉(윤위、1725年~1756年)の「甫吉島識(보길도지)」と尹善道の「漁父四時詞(어부사시사)」について次のように紹介された。
・尹善道の子孫、朝鮮中期の文臣尹偉が甫吉島を訪ね、「甫吉島識(보길도지)」を書した。その内容に尹善道の風流が浮かぶ。<天気が良いと東屋に行き、池に舟遊びする。子弟に五色の服を着せ、尹善道の書「漁父四時詞」の詞を歌わせる。東屋では管弦の演奏を聴き、人々の踊りを観覧する。踊る姿が池に映るのを見た>と、華やかに遊んだようだ。その時歌われた「漁父四時詞」は、海辺に暮らす漁師=学者(ソンビ)の四季を歌ったものだ。

▼ 「漁父四時詞」から、「春の歌」を歌と演奏で聴く。春は東風(秋は西風だが)、帆は穏やかな風に押されるよう。今様。

・「漁父四時詞」は、春、夏、秋、冬の詞で構成され、尹善道65歳の作品で、言葉の美しい響きをよく表したものと評される。