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2016年10月7日金曜日

(資料) 岡本綺堂「妖怪漫談」 狐

秋の涼しさが本格化するこの時期に、「怪談」というのもなんだか変だが、岡本綺堂の掌文「妖怪漫談」(青空文庫)は、妖怪と(空想を含む)獣、魚、鳥など動物との関係を種類分けしている。中国(支那)で<狐>をどう見ていたか、わずかだが知ることができる。

(本ブログ関連: ”葛の葉)”、”仙人”、”岡本綺堂”)

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・「我国古来の怪談はことごとく支那から輸入されたもので」、「六朝、唐、五代、宋、金、元、明の輸入品であるといって好かろう。」

・支那では「神仙怪異の事」というが、「<仙人>の話はあまり我国に行われていない。」、「支那で最も多いのは、<幽鬼>、<寃鬼(えんき)>即ち人間の幽霊であるが、我国でも人間の幽霊話が最も多いようである。」、「・・・<幽鬼>は種々の意味でこの世に迷って出るのであるが、<寃鬼>は何かの恨があって出るに決まっている。」

・「幽霊に次いで最も多いのは<狐>の怪である支那では狐というものを人間と獣類との中間に位する動物と認めているらしい。従って、狐は人間に化けるどころか、修煉に因っては<仙人>ともなり、あるいは天狐などというものにもなり得ることになっている。我国では<葛の葉狐>などが珍しそうに伝えられているが、あんな話は支那には無数というほどに沢山あって、勿論支那から輸入されたものである。」

・「<狐狸>と一口にいうものの、支那では<狸>の化けたということは比較的少い。決して絶無というわけではなく、老狸の怪談も多少伝えられてはいるが、狐とは比較にならないほどに少い。」

・「支那では人間が生きながら他の動物に変ずるという怪談が頗る多い。殊に<虎>に変ずる例が多い。」
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