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2016年7月6日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 操り人形

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/29)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「操り人形(コクドュガクシ、꼭두각시)」に関連した3曲を紹介した。

始めに、「操り人形踊り(꼭두각시춤)」について、朝鮮末期の「男寺党牌(ナムサダンペ)」の演目から次のように紹介された。
・低学年の子どもたちがよく踊る「操り人形踊り」がある。保育園の発表会でも目にする。男女1組になりニコニコして顔を合わせながら踊る。床に座り込んで足を転がせる姿が可愛い。この踊りは、朝鮮末期の放浪芸人集団「男寺党牌(남사당패)」の人形劇、「操り人形遊び(꼭두각시놀음)」に登場する人物で、木製の胴にひもを繫げて操ることから、操り人形の意味で使われる。
・この人形劇に出てくる人物「操り人形(コクドュガクシ)」の夫、朴僉知(박첨지)が妾を作ったことで喧嘩をし、結局、金剛山に出家してしまう。「操り人形」は、目鼻や口がねじれ、顔にしわやそばかすがたくさんある。夫のせいで、どれだけ気苦労をしたかわかる。朴僉知と「操り人形」は、それほど仲の良い夫婦ではなかったが、子どもたちの舞踊で知られ、今も多くに記憶される。悔しい想いをした「操り人形」も、少しは恨みを晴らしたかもしれない。

▼ 「操り人形踊り」で二弦の擦弦楽器「奚琴(ヘグム、해금)」演奏、「操り人形」を聴く。今様に、おどけて可愛い響き。

次に、男寺党牌の「風物(풍물)」と女性リーダー「バウドクイ(바우덕이)」(1848年~1870年)について次のように紹介された。
・男寺党牌は、朝鮮時代末期に、放浪しながら公演して生計を営んだ、放浪芸人集団だ。村から、公演の許諾を得ると、歌と踊りの農楽、「風物」の出し物で人々を集めた。皿回しや綱渡りなど、六種類の代表的な芸がある。無形文化財に指定され、ユネスコ人類無形遺産に登録された。

▼ 演劇「男寺党の空」のための曲「男寺党の歌」の演奏と歌を聴く。シンフォニーと合唱が重々しく映画音楽のよう、今様である。

・男寺党牌は、本来男たちの集団だが、安城地域で活動した集団に、初の女性リーダーとなった伝説的な「バウドクイ」をテーマにしたのがこの作品だ。バウドクイは、特に綱渡りが達者だったと知られる。しかし朝鮮戦争後には男寺党牌は途絶える。

最後に、男寺党牌を受け継ぐ、1978年登場の「サムルノリ(사물놀이)」について次のように紹介された。
・昔のリズムを生かし、現代の若者にも親しまれる音楽を作り出したのが、サムルノリと呼ばれるもので、古くから伝わる農楽、つまり、「風物」を舞台音楽に再構成したもの。伝統音楽を現代風にアレンジして人気を博した。伝統を継承した良い例と言える。

▼ 湖南地域の農楽のリズム「農楽加楽(농악가락)」を聴く。新酒の香ばしさするリズム。