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2016年6月8日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 慶尚道民謡

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/1)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、慶尚道に伝わる民謡と逸話などに関連した3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”密陽”)

始めに、密陽市にある「永南楼(영남루)」と、「阿娘(아랑)」の伝説、「密陽アリラン」について次のように紹介された。
・慶尚南道密陽市の内一洞(내일동)にある、大きな楼閣の「永南楼」は、密陽江を見渡す崖の上にそびえ立つ。楼閣からの景色も立派だが、川から眺める楼閣も見事だ。「春香伝」で有名な南原(남원)地域の「広寒楼(광한루)」、江原道地域の八名勝地といわれる「竹西楼(죽서루)」と共に、三大楼閣に挙げられる。
・ここ永南楼に、「阿娘」の伝説がある。彼女は、密陽地域の府使(부사、官職名)の娘で、ある日、月見に出たところ、男に暴行され抵抗するも殺される。これが不名誉な噂となり、彼女の父は官職を退く。新任の府使が来るたび、阿娘の魂が現れ悔しさを訴える。阿娘を見た府使は驚きのあまり命を落とし、彼女の悔しさは伝わらない。そんな中、度胸ある府使が赴任。結局、阿娘を殺した犯人を見つけ、彼女の恨みを晴らす。その後、密陽の人々は、阿娘を想い「密陽アリラン」を歌った。

▼ 慶尚道地域の代表的な「密陽アリラン」を聴く。まるでクラシックの東欧風な今様アリラン。

次に、慶尚道民謡の「クェジナチンチン[ナネ](쾌지나칭칭[나네])」について次のように紹介された。
・慶尚道民謡でよく知られる「クェジナチンチン」がある。農作業や海で漁をする時などに歌う。一人が歌い出すと残りの人が「クェジナチンチンナネ」と繰り返す。人々が集まって遊ぶとき歌った。リズムだけでなく歌詞も明るいのが特徴。最初はゆっくり始まり、だんだんリズムが早くなる。ゆっくりで心が安らぎ、早くで興がわく、祭りにぴったりの曲だ。

▼ 「クェジナチンチンナネ」の歌を聴く。まるで中越地帯の民謡を思い浮かべたくなるような歌い方。

最後に、慶尚道民謡、麦打ち歌「オンヘヤ(옹헤야)」について次のように紹介された。
・「オンヘヤ」は、もともと<麦打ち>しながら歌う曲だ。庭で麦を乾燥させて、殻竿で粒を打ち採る。この時、呼吸を合わせ、ゆっくり歌う。このように始まった曲を、歌い手が洗練した形に変えたのが慶尚道民謡の「オンヘヤ」だ。
・「オンヘヤ」と繰り返す部分の発音やリズムが独特で、最近は若い歌い手が、少し違うふうに演奏することもある。

▼ カヤグム演奏で「オンヘヤ」を聴く。まるで琴の響きに似た、今様に洗練した奏法。