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2016年5月29日日曜日

国分寺崖線を歩く

テレビの街歩きに、芸能人の名を冠した「~散歩」といったタイトルが流行っている。街の人々と会話を楽しむだけでなく、食堂やレストランで食事して味見レポートしたり、珍しい商品を扱う店などに入って、ときに職人の真似ごとしたりする。街の情報だけでなく、面白い出会いもあって何となく見てしまい、途中でチャンネルを切り替えることもめったにない。

同じ散歩番組だが、NHKテレビで放送している、タモリの「ブラタモリ」は一風変わっている。地形に視点を置いているからだ。有名な街並みを、歴史と地理だけでなく地学で観察する。今までにない理解が得られる。毎回、うんとうなづかせる新鮮な楽しみがある。いわば、街をデザインする側の視点と、実際に生活・利用する側の視点を合わせて知ることができる。

そんな「ブラタモリ」的な街を観察する、千葉県立中央博物館が主催の地学野外観察会、「街なかの自然観察 1」として、「国分寺崖線を歩く」(講師 地学研究科八木令子氏)に参加した。参加者25名近くで、ほぼ半日を使い、国分寺崖線を京王線つつじヶ丘駅から深大寺(城跡)を通り、東京天文台の横まで北西に観察ポイントを巡った。

上段の「武蔵野段丘」と下段の「立川段丘」は、5、6m~15m近くの段差があり、「国分寺崖線」という名の斜面でつながっている。段丘の成因として、多摩川の浸食の他に、一部の谷に氷期の侵食も考えられるという。なかなか複雑だ。この段差から湧水があり、寺社の手水(ちょうず)や自然の川の「野川」が作られる。観察会は、途中から野川を脇に見ながら進んだ。

最後の観察ポイントに到達する寸前、何ということか、足元がもつれて転倒したのだ。指(3本)をすりむいて、消毒とバンドエイドをしていただいた。お恥ずかしいかぎりだ。しかも左膝を打ったが、幸いにも大事に至らずに済んだ。まことに情けない。
事務局のご担当に、大変ご迷惑をかけましたこと、あらためたお詫びします。

最近、転んでばかり。いろいろ考えてしまう。


(付記) 上記の番組「ブラタモリ」の制作スタッフが国土地理院から表彰されるそうだ。
スポニチの記事、「国土地理院 『測量の日』功労者に『ブラタモリ』 タモリの博識絶賛」(5/20)は、「国土地理院は20日、今年の『測量の日』の功労者に NHK『ブラタモリ』(土曜後7・30)の制作スタッフを選んだと公式サイトで発表した。6月3日、茨城県つくば市の同院で国土地理院長から感謝状が贈呈される」とのこと。(抜粋)