ブログ本文&資料

2016年3月15日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 柳

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/9)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、別れを象徴する「柳」に関連した3曲を紹介した。

(本ブログ関連:””)

始めに、春に相応しい、緑美しく映える柳と飛び交う鶯が織り成す光景を次のように紹介された。
・春、緑陰芳草の季節。別れを象徴する柳について、韓国でも「柳を折る」といい、旅立つ人を見送ることを意味する。柳は、川辺に育つ生命力の強い木で、年中見られ、特に春に目立つ。枝が伸びて、緑の葉が生え、柳に春が来たことが分かる。昔の詩に、<柳の枝と、そのそばを飛び交う鶯の様子>を描いたものがある。柳を糸に、鶯を機織りの金具に、布を織る姿に例える。美しい緑の葉が、花より美しいという内容だ。

▼ 柳と鶯の詩を歌にした、女性歌曲「柳は(버들은)」の歌を聴く。厳かに洗練された歌い方。

次に、別れと留まる想いを象徴する、柳の枝にまつわる妓生洪娘(ホンラン、홍랑)の話しを次のように紹介された。
・凍った川の氷が溶けると、船が通れるようになる。それを待った人々も、遠く旅立つことができる。残る人々は川辺で見送るが、そこにも柳が目立つ。漢字の「柳(りゅう)」は、留まる意の「留(りゅう)」と、韓国語でも同じ発音だ。昔、旅立たずに留まって欲しいの意で、柳の枝を折って渡した。また、柳の枝は、何処にでも根をおろす。朝鮮時代の妓生洪娘は、恋人の崔慶昌(최경창)との別れに、柳の詩を作った。<柳の枝を、窓の近くに植えて欲しい、新しい葉が生えたら、自分だと思ってくれ>という。南への交通の要地だった忠清道天安地域には、別れを象徴する柳が多かった。民謡「天安三叉路(천안삼거리)」までできたほどだ。

▼ 民謡「天安三叉路」を聴く。様々な色彩を帯びた楽しくアレンジした今様の歌(アカペラ)。

最後に、中国河南省の都市の「洛陽の春(낙양춘)」を奏する宮中音楽について次のように紹介された。
・中国の洛陽は、古代から様々な王朝の首都として知られる。何と三千年以上の歴史を誇り、有名な遺跡地も多い。毎年4月に開かれる、牡丹祭りも有名だ。宮中音楽に、「洛陽の春」がある。高麗時代に中国から伝わった詩を歌にしたもの(詞楽)で、柳が登場する。<柳を見つめながら、旅立った人を想う>。中国の詩に、柳は別れを象徴するものだったようだ。

▼ KBS国楽管弦楽団の演奏「洛陽の春」を聴く。春の風のように穏やかに、軽やかに響く。

キム・ボエさんの可愛らしい言葉、「別れを象徴する柳ですが、昔の音楽にも色んな形で表れています。誰かを恋しく思うことは、時には辛いことです。でも、恋しい人がいるということは、幸せなことでもあると思います。」