ブログ本文&資料

2015年4月15日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 皐皐天邊ほか

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/8)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第100回として、パンソリ「水宮歌(수궁가)」のカメやウサギの経験にまつわる3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”水宮歌”)

始めに、初めての経験の感動を、パンソリ「水宮歌」で、陸を初めて見た亀を元に次のように紹介された。
・旅は新しい世界を経験する期待感がある反面、金と体力を使い大変な思いをする。ちなみに経験として、リンゴをよく知るにはどうすれば良いか。美しい絵や映像を見たり、栽培法を説明した本を読むことでできるが、一口味わってこそ知ることがある。
・ウサギの肝を巡るパンソリの「水宮歌」に、カメが初めて海を出て、陸地を経験する場面がある。太陽が昇り、その日差しが静かな漁村を照らす。海中の景色しか知らないカメがどう感じたか、その感動は、人が宇宙を経験するようなものだろう。

▼ 初めて見る景色を歌う「皐皐天邊(고고천변)」をカヤグム弾き語りで聴く。軽快な伴奏・・・音楽的に継承して。

次に、誰がどこに座るか、動物たちの世界で「上座争い(상좌다툼)」する話について次のように紹介された。
・旅の魅力は、色々な人と出会えることだ。新しい景色も良いが、時がたてば感動は薄れる。でも旅先で会った人々の思い出は長く記憶に残る。
・陸に上がったカメは様々な動物と出会う。その日はちょうど年に一度の動物の祭りだった。神話の麒麟や獅子、猿、リスやウサギなどみな集まった。昔も今も、誰がどこに座るかが大事な問題だ。自分が年上だと、お互いに上座に座りたがる。年長者を高める韓国の風習が、動物にも当てはまった。

▼ 「水宮歌」から動物らの「上座争い」の歌を聴く。海であれ陸であれ、いずこも見栄の張り合いということか。正調。

最後に、違う文化の出会いを、「ウサギの物語り(토끼 이야기)」について次のように紹介された。
・違う文化圏に生まれ育った人々の出会いには色々な妨げがある。言語だけでなく文化的背景も違うからだ。会話の内容も、違う意味で解釈されることもある。前向きに考えすぎて、騙されることもあるかもしれない。
・ウサギの肝を騙し取ろうとする「水宮歌」の話。ウサギの肝を探してくるように命じられたカメは、ウサギをおびき出す。官職に就けると言われたウサギは、意気揚々海中に入るが、待っていたのは、肝を狙う兵士たちだった。王の薬にウサギの肝が必要だったのだ。ウサギは自分が騙されたのと同じように、今度は王を騙して仕返しし、やっとのことで命を救う。

▼ 出会いをサムルノリと歌で表現した「ウサギの物語り」を聴く。何ぜ・・・今様である。

(付記)
私のカウントで今回で、たしか100回目になる・・・でも、番組のリストを見ると、201回目?になるよう。どこかで大きなカウントミスをしてしまっているのか・・・今頃になっていうのも憚るが。次回から、番組回数の付記をひかえます。