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2015年9月9日水曜日

映画「シークレット・サンシャイン(密陽)」

以前、レンタルのDVDで視聴した、チョン・ドヨン(전도연)主演の映画「シークレット・サンシャイン(密陽、밀양)」(2007年)を、韓国文化院のホールで見た。これで2度目の鑑賞である。

(本ブログ関連:”密陽”、”チョン・ドヨン”)

DVDの場合、自分のペースで見てしまい、思い込みが生じるのではないかと気になる。それを大勢の息遣いに触れながら大ホールで観覧すると、意識の共有が感じられ、あらたな理解を楽しめる。

もう一つの楽しみは、スクリーンのチョン・ドヨンに会えることだ。彼女は、この映画で、「第60回カンヌ国際映画祭」(2007年)の主演女優賞を受賞した。「接続」(TV放送)、とりわけ「わが心のオルガン」(VHS)以来のファンである。

映画の最後に登場する陽だまりの光景にいたる、ストーリー展開をじっくり見ることができた。主人公イ・シネ(チョン・ドヨン)が悲劇的な事件の結果、キリスト教会へ宗教的に傾倒する中で生じる、神へ、自己へ、そして他者への不信(疑念)と葛藤を描いている。信仰を持つことで、果たして許されるのか、許すことができるのかと。映画は、そこにソン・ガンホが演じる、主人公に興味を持つ気のいいおじさんを登場させる。彼は、主人公を日常へと結びつける役回りだ。

神は見えない、もしかしたら、裏庭の隅の平凡な陽だまりにあるのかもしれない。