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2015年5月28日木曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 仏教音楽

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/20)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、今年の5月25日(月)(陰暦4月8日)の釈迦誕生を祝う日(「灌仏会」)にちなんで、仏教に関連する3曲を紹介した。

(付記)
イ・ソンヒの父が、梵唄の指導者であったことから、彼女の音楽の源泉(才能)がそこにあったような気がしてならない。
(本ブログ関連:”(資料)イ・ソンヒのスター・ストーリー「3.宗教家である父と、自然とともに過ごした幼い子供」”)

始めに、「初八日(초파일)」の祭事と、風流を楽しむ曲「霊山会相영산회상)」について次のように紹介された。
・「初八日」は、毎月8番目の日だが、昔は陰暦4月8日の釈迦誕生の日を指して祝った。寒暑もない春に、人々は米を持って寺に向かった。交通も不便な時代、寺にたくさんの知り合いが集い、親に付いてきた子供たちもいて、おもちゃや菓子を売る人もいた。五色の提灯や音楽も聞こえる。そんな素晴らしい季節に誕生された。

▼ 霊山会上(浄土)の仏と菩薩を讃嘆する意の「霊山会相仏菩薩(영산회상불보살)」を聴く。荘重に編曲したもの。

・両斑の風流曲に「霊山会相」がある。もともと仏教の声楽曲だった。「霊山会相仏菩薩」の歌詞からなり、歳月を経て、風流を楽しむときの音楽になった。

次に、釈迦と摩訶迦葉(マハーカッサパ)の間の拈華微笑と、仏教音楽の梵唄(ぼんばい)について次のように紹介された。
・古代インドのマガダ国の首都の近くにある、霊鷲山(りょうじゅせん)での出来事。釈迦が菩薩に対して仏教の教義を説いていると、空から花の雨が降ってきたという。また、ある日、説法を聞きに集まった大衆の前で、釈迦は一輪の花を見せたが、何も語らない。大衆は訳が分からないまま黙っていると、ただ一人、弟子の摩訶迦葉だけは釈迦を理解し微笑んだ。仏心を伝える仕草の拈華微笑は、字や言葉を使わぬ以心伝心に通じる。この光景をあらわした「霊山会相図」や、音楽にした「霊山会相」がある。

▼ 僧侶が梵唄で長く伸ばして歌う「ジッソリ挙霊山(짓소리 거령산)」を聴く。一体どんな場面で歌ったのだろうか。

・僧侶が儀式で歌うものを「梵唄(범패声明)」と言う。「ジッソリ(짓소리)」は梵唄のひとつ、「挙霊山(거령산)」は曲名で、16文字の歌詞を長く伸ばして歌うのが特徴。長くは一時間も歌うため、世の中で最も長い歌だろう。梵唄は、梵の音、「梵音(범음)」とも言う。「梵」はインドを意味し、宇宙の原理を指すこともある。また、このリズムを、水中で泳ぐ魚に例えて、「魚山어산)」とも言う。統一新羅時代に唐から入り、歌曲や民謡など民間の音楽にも大きな影響を及ぼした。伝統文化ともいえる。

▼ 「霊山会相」の中から、シタール、弦楽器ヘグムとヤングムの演奏「細霊山(세령산)」を聴く。インドの香りは・・・静かな曲だ。