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2014年6月26日木曜日

映画館

地方にいた子ども時代、映画館といえば、地元町にある2本立て日本映画専門の、いわゆる2番館というか3番館といった方がいいような、場末の臭いするものが2軒あった。たまに親に付いて行くことがあったが、あるとき怪談映画を見せられてから、二度と行くまいと決めた。

(本ブログ関連:”映画館”)

もちろん、駅近くの商店街に行けば、それなりに大きなものがあったし、隣り町に行けばさらに近代的な構えした清潔な映画館もあったけれど、ほんの数回位いしか記憶がない。当時の映画館は、大人が時間を過ごすような場所であって、子どもが楽しめる雰囲気はなかった。子ども向けを意識した、劇場用作品はそんなになかった。

子どもたちは、もっぱら、小学校の家庭科教室といって畳部屋だが、そこで坐りながら児童映画(ディズニー映画や「小鹿物語」など)を鑑賞させられた。夏休みになると、子ども映画会と銘打ったイベントがあり、夜の校庭に張られた、風に揺れる白布の大スクリーンに映し出されたものを、祭り気分で友だちと追いかけごっこしながら眺めたものだ。
ときに、新作の「ゴジラ」や「スーパージャイアンツ」などは、工場敷地に社員専用の映画館(多分公演などもしたのだろう)があって、子どもには小遣い程度で安く見せてくれた。ゴジラの恐怖はここで覚えた。

映画は、いつでも見られるものではなかったし、お金がかかるもの。それが覆されたのは、テレビの登場だった。タダで、いつでも見られるという、空前絶後の驚きだった。それまで、銀幕映画は記憶にしまい場所を決めておくようなものだったが、テレビ・ブラウン管は映像を垂れ流し、消費させるだけの装置でしかない・・・ということに、だいぶたって気付くわけだが。

見たい映画が見られないとき、レコードで我慢したという話しをしようと思ったけれど、話しが横道にそれてしまった。