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2014年6月19日木曜日

紫陽花の花

梅雨の時期、近所を巡ると、よその垣根越しに紫陽花(アジサイ)の花がのぞく。大方の紫陽花は、青、青紫、赤紫の色をしたものが多く、それぞれの色ごとに咲いている。土壌のpHによって、酸性(青)←(>Alイオン>)→アルカリ性(赤)と変化するからだそうだ(←まるでリトマス紙の逆だ!)。中には一ヶ所で、青色と赤紫色が同居しているものものもあるが、これはどうしたことだろう。

紫陽花の原種は、「ガクアジサイ」という日本原産だそうだ。モンスーン地域に住む日本人にとって、農作と密接な慈雨とはいえ梅雨の長雨に濡れる紫陽花が、急に身近に感じる。

ある駐車場に、通り道との仕切りが腰丈ほどの高さのため、その内側にずらりと並んだ白い紫陽花の花が見える。実に壮観なのだ。一般に、紫陽花の花の咲き始めの頃は白っぽく、次第に色付くそうだが、ここの花は全て白く花を膨らませて咲いている。

ところで、紫陽花の花は、本来の花弁ではなく「萼(がく)」だそうだ。雄しべと雌しべが退化したというが、花弁は一体どこへ行ったのか。どうやら本来の花弁は、花弁に見える萼の中心に小さく咲いているようだ。それにしても、何でこんなことをしたのだろう。

もしかしたら、梅雨の長雨に打たれても、萼の方が本来の花弁より材質的に強く、虫たちを引き付けるためにも、強靭に花の形を擬したのだろう。遺伝子をつなげるため、モンスーンの気候に適応した戦略の一つだったのではないだろうか。