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2014年3月4日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 龍

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/26)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第45回として、「龍(용)」にまつわる話を紹介した。

まず、朝鮮王朝(李氏)の開国を伝承する「龍飛御天歌」から龍について、次のような紹介から始まった。
・「龍飛御天歌용비어천가)」(1447年刊、世宗大王の代)は、先祖の意思を受け継ぎ、導く教訓が込められた、125章からなる建国叙事詩だ。最初の一節の、「わが国には、6匹の龍が登っているため、どんなことでも、それは全て天が下さる福である」にある、6匹の龍とは、初代王の太祖(李成桂)と、3代目王の太宗、および初代から遡る4代までを合わせて6人を指す。
・また、この歌をもとにした「與民楽여민락)」のメロディーが今日伝えられている。

▼ 演奏「與民楽」を聴く。民に与える曲とはいえ、荘厳格式ある響きと香りがする。

次に、「)」の象徴性と表象について、次のように解説された。
・東洋では、龍は王を象徴する。王の顔を「龍顔(용안」)、王の徳を「龍徳(용덕)」、王が腰掛ける場所を「龍床(용상)」、王の衣服を「龍袍(용포)」と呼ばれた。
・中国古代の文献に、龍について次の説明がある。「龍は、うろこを持つ動物の筆頭である。時によって目に見えたり見えなかったりし、細くなったり大きくなったりする。また長くなったり短くなったりすることもできる。春分には天に昇り、秋分になると池に沈んでいく」。その姿は、ヘビの体に魚のうろこをつけ、ラクダの頭に鹿の角、ウサギの目、牛の耳を持っていたとされ、さらに、トラの足に鷹の爪がついていたとも言われた。昔の龍の絵は、こうした説明を元に描かれた。

    (注)Ko-Wikiの「(龍)」解説の出典は大丈夫だろうか・・・RPG解説書?

・龍は、水を司る神と考えられ、旱魃に、龍を描いて雨が降るよう祈った。海沿いの村では、今も、大漁を祈るクッ(お祓い、굿)を行う際、竜王を祀って「竜王クッ」を行う。
・パンソリ「水宮歌(수궁가)」に登場する、南海をつかさどる竜王は、病におかされ、その病を治す薬となるウサギを捕らえるよう、スッポンに命じる。その後の様々な過程が、ここで滑稽に歌われる。

▼ 「水宮歌」の中から「竜王が病に侵される過程」を聴く。・・・横たわって、嘆き悔やみ悲しむ。

最後に、西洋のドラゴンと東洋の龍の文化比較について、次のように触れている。
・ドラゴンは、トカゲのような体にコウモリの翼を持ち、口からは炎を吐き、英雄を苦しめる悪として登場する。一方、龍は水を司る神として、人々の生活に利益をもたらす。ドラゴンと龍は、全く別の動物とみなすことができる。
・インド神話の中に、龍とドラゴンを習合した「ナーガ」という名の動物が登場する。頭がいくつもあり、コブラのような姿をする。温厚なナーガは大抵、水と関連して登場するが、悪いナーガは炎を吐く力を武器としているという点が、興味深い。

▼ 「水龍吟(수룡음)」を聴く。フレーズの終端にどこか民謡を思わせる・・・今様である。