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2014年2月4日火曜日

立春2014

春雨だ濡れていこう、といっても知られぬ時代になったのだろうか。無声映画を見たわけではないので、もしかしたら市川歌右衛門の映画のせりふだったのか・・・それとも、小雨の中を強気になって走り出した子どものころの掛け言葉だったのか。

昨日と打って変わって、一年の季節の始まりというに、小雨でひんやりしている。

(本ブログ関連:”立春2010”、”立春2012”、”立春2013”)

(追記) 立春に降雪
栗林に降る雪
あるテキストを求めて書店を巡って、昨日は地元の2軒になく、今日は小雨が霙(みぞれ)に変わりつつあるなか近くの街に出かけて、ようやく2軒目で手に入れた。さて、地元駅に戻って、駅ホームから外を眺めると、絶え間なくベタ雪というかドカ雪が回転しながら落ちてきた。真っ白な空に、隙間がないようにさえ見えた。

雪降りはますます勢いづいた。この街を走るマイクロバスで帰宅したのは正解だった。降雪の気配はしばらく続いたが、陽の沈んだ外に改めて様子をうかがうと、路面に積雪はなく、ただ夕暮れの中に存在を示すように、わが家のポストの上にこんもり雪が残っていた。

KBS WORLD「国楽の世界へ」 旧正月

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/29)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第41回として、「旧正月元旦(ソルラル、설날)」にまつわる話を紹介した。

まず、ある晦日、貧しさに溜息つく妻へ玄琴(コムンゴ)の音で慰めたという逸話を次のよう紹介された。
・新羅時代、慶州の狼山の麓、貧しくて繕(つくろ)った服を着た男がいた。村人は「百結(ペッキョル、백결)先生」*と呼んだ。家は貧しくとも、昔を慕い、常に玄琴を弾き、人生の喜怒哀楽を表現した。

    (*)百結: KBS WORLD「韓国偉人伝-百結」参照

・大晦日に、近所から穀物を搗(つ)く「パンア(搗き、방아)ソリ(音、소리)」が聞こえて、ため息をつく妻に、百結先生は「人の生死はその命に関わるものであり、貧富は天の決断である。これに対してあがくことはできないのに、婦人はどうして心を痛めているのか?」と言い、玄琴で臼をひく音を再現して慰めた。この音楽が世に知られ、「碓樂(テアク、대악)」、または、「パンア打令(방아타령)」と呼ばれた。

▼ 霊山会想から玄琴演奏「下弦還入(하현도드리)」を聴く。ゆたりと風流に響く・・・そんな部分か。

次に、さまざまな旧正月の料理の品々を次のよう解説された。
・旧正月、家庭は名節料理の準備で慌しい。次のような元旦の詩がある。「牛肉を煮てのせ、白い餅も積み重ねる/年の暮れの豊かさだ/元旦に膏粱(こうりょう)珍味を腹いっぱい食べれば/一年中、空腹を感じることはない」。
・食物が十分でない時代、元旦に先祖を祭る大切な目的があり、料理を盛りつけて分かち合い、一年が豊かで実りあるよう祈願した。
・元旦の客に出すお節料理に「歲饌(세찬)膳(상)」がある。トックク(雑煮)に餃子などを準備し、「シッケ(식혜、甘酒)」や「スジョンクァ(수정과)」の飲み物に、果物や「ナバッキムチ(スープ状キムチ)」を添えた。本格的に宴には、さらに、もち米に栗やなつめなどを加えた飯である「ヤクシク」や、「トッポッキ」、肉を煮た料理の「ピョンユク(片肉)」、小麦粉に甘く味をつけ揚げた「ヤックァ」などの菓子類、さらにゆでた栗やしょうが、なつめなどで作った「スックァ(熟果)」などを並べた。

ビナリ「祝願徳談(축원덕담)」を聴く。歌と打楽器で賑やかな・・・ともに祝いあう空気が伝わる。

・元旦の朝に飲む「屠蘇酒(トソジュ)」は、様々な薬草を入れて作り、冷たくして飲むと、悪い気運が去ると信じられた。屠蘇酒は一番若い人から、新しく一年を得るため先に飲み、年長者が歳月を失っていくため最後に飲むという。

▼ 「報念(보렴)」を聴く。祈り、地の香りして・・・今年もよい年でありますように。