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2014年1月6日月曜日

本屋の棚から消えるもの

文学者であり小説家が、以前雑誌に肩のこらぬ連載をしていて、それがまとまって確か文庫本になっていた筈だと、近在の中古書チェーン店の数店に探しに行った。ところが、その方の作品が書棚に驚くほど見当たらないのだ。

昨年、亡くなられたばかりというのに、扱いがこんな風なのかと少々驚いた。旧仮名遣いを押し通したせいでもないだろうけれどと思いながら、書店を巡ったが、何処も同じだった。今の若い世代には、とっつきにくい作家だったのかもしれない・・・そうでもあるまいに。似た雰囲気の女性作家も、今は高齢となれば作品は見当たらない。

文学や評論は、活字として残ると思いたいのだが、残念なことに余程に特質なのものでない限り、読み継がれることは結局ないのだろう。つくづく古典の凄さがわかるというものだ。

本屋の書棚から、時代を共有しただけだが、著名な作家、文学者そして評論家たちの作品が次々消えていくのは、火が薄れていくようでさびしいものだ。