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2014年11月4日火曜日

マーマレードとザボン

ジャムにいろいろあれど、私の好みは「マーマレード」だ。とりわけ、鼻腔にツンと来るものがよい。近頃見当たらないが、一体どこへ消えたのだろう。このツンとくる香り、実は塗料の「ニス(ワニス)」に通じる気がする・・・なかなか説明しづらい。

中学時代、国語の教科書に、エベレストを初登攀したニュージーランドの養蜂家出身のエドモンド・ヒラリー(Sir Edmund Percival Hillary)について次のように書かれた文章があった。山中、彼は体を暖めるため、熱い紅茶にマーマレードを溶かし入れて飲んだという(記憶に違いがあるかもしれないが)。そこだけ妙に心に残って、以来真似している。

(追記)
上記「マーマーレード」の記述を「砂糖をいっぱい入れた熱いレモン湯」に訂正する (11/6)
図書館で、ヒラリー著「わがエヴェレスト」(松方三郎・島田巽訳、「世界ノンフィクション全集3」、1956年)を確認したところ、次のように書かれていた。エベレスト頂上へ登攀途上、高さ8,500メートルに張ったテント中、テンジンが作ってくれた(用意してくれた)ものに次のものがあった。
   ・鶏肉とヌードルのスープ
   ・ビスケットとサーディン
   ・ナツメヤシの実
   ・砂糖をいっぱい入れた熱いレモン湯
   ・アンズの缶詰
後述に、「しかし、いちばん活動を与えてくれるのは、砂糖を山のように入れた熱いレモン湯だった」とある。ひと寝入りして、いよいよ頂上へと向かう。登頂の結果について、以降、わたしたちは、ヒラリーとテンジンとの固い友情を知ることになる。


柑橘系の香りが好きなのかもしれない。「ザボン(ブンタン:文旦)」を砂糖水で煮漬け、砂糖をまぶして乾燥させた菓子「ザボン漬」がある。普段、砂糖をまぶしているような菓子を手にしないのに、こればかりは違う。砂糖が落ちないように、ゆっくり口にするのがおかしい。そして、甘いだけでなく、このときも同様に口中に柑橘類特有のツンとくる香りが広がる。

ザボン漬は子どもの頃よく食べた。長崎や熊本などの物産展やアンテナショップで見つけたとき、懐かしさも手伝って購入するくらい。家に帰ると、必ず他の品に一緒にくっついてきている。この菓子、皮肉だけで作るものもあれば、輪切りにしたものもある。どちらもいいが、できれば肉厚でネットリした重量感のものが最高。それなら、前者の方かな。

(追記)
Youtubeにマーマレードの作り方を探していたら、なんと「夏みかんピールの作り方」(登録者marronrecipe、感謝)があった。材料に「オレンジや文旦でも」とのこと・・・なるほど、ザボンの代わりに、夏みかんを使って、ザボン風の菓子ができるということのようだ。(映像では丁寧に作られていたけれそ)真似してみようかな。それにしても砂糖の量の凄いこと。