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2014年11月25日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 大木匠(棟梁)

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/19)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第81回として、木造の家を建てる棟梁、「大木匠(대목장)」にまつわる話を紹介した。

始めに、パンソリ「興甫歌(흥보가)」の物語りから「大木匠」について、次のように紹介された。
・ある日、興甫(フンボ、흥보)は怪我したツバメの足を治した。ツバメは恩に報いるため瓢箪(ヒョウタン)の種を運んできた。その種からなった瓢箪を割ったところ、最初の瓢箪から金と米が、二番目の瓢箪から絹が出てきた。三番目の瓢箪から、職人が出てきてテキパキと、立派な瓦葺きの家を完成した。

(本ブログ関連:"興夫歌"、"興甫歌")

・昔は、宮殿や大きな瓦葺きの家の建築には、「大木匠」と呼ぶ棟梁が全てを総括した。家を建てる職人を大きな木の意の大木といい、家具などの生活用品を作る職人を小さい木の意の小木と言った。大木に匠を付けて大木匠と呼び、建築の設計、施行、監督に至る責任者で、官職につくほど重要な職だった。

▼ パンソリ「興甫歌」から「興甫、家を建てる場面(흥보 집짓는 대목)」を聴く。パンソリ・・・である。

次に、棟梁である大木匠の文化的な位置づけについて次のように説明された。
・木造の家を建てる大木匠の役割は大変重要だ。大木匠の手を経た建物に、仏国寺(불국사)や昌德宮(창덕궁)などがある。大木匠は、建築文化を率いてきた芸術家とも言える。ここ100年近く、コンクリート造りの西洋建物に慣れてきた中で、大木匠の役割は次第に忘れられてきたが、最近、伝統文化に目覚め、韓国固有の家屋、韓屋(한옥)に関心が集まっている。文化遺産の保存ととにもに大木匠の役割も注目されて、ユネスコ人類無形遺産に登録された。

▼ 京畿道坡州地域の歌「敷地を固める音(집 터 다지는 소리)」を聴く。労働の歌らしく、反復と軽快さが伝わる。

最後に、木造建築の作業と大木匠になる修行について次のように解説された。
・建築作業に敷地を整える重要な作業がある。木や石を使って土地を整える作業を、互いに呼吸を合わせ、歌を歌いながらした。伝統的木造建築は、木組みに釘を使わず、木を精巧に削って互いにかみ合わすのが特徴。木の特徴を把握し、建物の用途や自然環境など考慮して、適切な木材を使う。外見の美しさも重要だ。
・大木匠は数十年の経験を重ねて、人並み優れた者だけがなることができる。大木匠が最も活躍したのは、景福宮(경복궁)を再建(朝鮮末期1867年)したときだ。ソウル鐘路にある宮殿に、全国から人を集めて再建に取り組んだ。

▼ 景福宮再建当時、広く歌われた「景福宮打令(타령)」を聴く。「再建時に集まった芸人の歌」とのこと、沸き立つ賑やかさだ。