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2014年7月26日土曜日

みそぎぞ夏のしるしなりける

百人一首の最後から3番目の98に、旧暦6月30日の今日にちなんだ、従二位家隆(藤原家隆)の次の歌がある。まさにこの禊祓(みそぎはらえ)の時期、夕暮れに流れる風と小川に夏の気配を感じると詠嘆する。

風そよぐ 
ならの小川の 
     夕(ゆふ)ぐれは
みそぎぞ夏の
     しるしなりける

風そよぐ
イ・ソンヒの代表曲「Jへ」は、「J, 스치는(すれすれに通り過ぎる、かすめる) 바람에(風に)」から始まる。この(頬を)かすめる風について、いろいろなチャレンジ(訳)をネット上に見たが、「かすめる」とか「かすむ」など言葉を越えられないのに対して、作詞家の三佳令二の歌詞はさらりと、「そよぐ風に」と言葉を配している。やはり、プロは凄い。

なら(楢)の小川(をがは)
「京都市北区、上賀茂神社の御手洗(みたらし)川。」[歌枕]【広辞苑(電子版)】
Youtubeを「ならの小川」で検索すると、いくつか該当すると思われる風景が見当たる。川幅は数m程度、まるで唱歌「春の小川」に出てくる小川のようだ。川筋は木々(楢?)に囲まれ整備されているよう。南下して加茂川に合流する。

みそぎ(禊)
「身に罪または穢れ(けがれ)のあるときや重大な神事などに従う前に、川や海でを洗い清めること。」【広辞苑(電子版)】
契約や原罪もない神道世界でも、人生に何となくけがれ(穢れ)を負っているよう感じる。人は心に澱が溜まるようで、日があらたまるとき、洗い清める(禊祓(みそぎはらえ)する)ことをする。(旧暦)6月30日、一年の半分も終わるときに、「六月禊祓」するが、現在は新暦に合わせているようだ。