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2014年7月24日木曜日

夕立と思えど

夕方、公民館を出たそのとき、建物前の乾いた路面に大きな黒点が次々と散った。あっという間に、大粒の雨が降ってきたのだ。戻ろうか、一瞬たじろいだものの、付設の駐輪場が目の前にあったので、そちらへ駆け込んだ。

夕方、6時前のことだ。雨は次第に強さを増し、駐輪場の屋根を激しく叩いた。時節柄、夕立の通り雨くらいに考えて、やり過ごそうとしたのだ。しかし、雨脚はますます強くなり、20mほど先の公民館に戻るのも躊躇した。

えい、ままよと立ち尽くしたが、一向に休まる気配もない。隣接する、欅の巨木の下にたたずむ稲荷神社の遠景が、雨煙に霞んで見える。雨風は横なぶりになり、雷鳴が轟く。俵屋宗達の屏風絵「雷神」を思いめぐらした。まさに雨風が舞い、雷光で辺りが一瞬明るみ、すぐさま雷鳴が轟く、まるで鼓を打つように、ドドドドドと連打して聞こえてくるのだ。(連打して聞こえるというのは、外にいないと分からないことかもしれない)

建物の向こう側が薄桃色に輝いた、落雷だ。ビリビリという響きして、辺りの施設から光が消えた。薄闇の中、待ち続けると、建物一斉に明かりが灯った。置いてけぼりされたように駐輪場にいて、それを見たとき、なぜかほっとしたのは不思議だ。

一時間ほどして、小降りになったのを機会に、急いで公民館に走り込んだ。なにしろ、駐輪場はコの字型に囲われているだけで、壁は腰丈ほどしかなく、風に煽られた雨が舞い込んで来たのだ。ずっと立ち止まっていただけに、ロビーのソファーのありがたかったこと。

雨脚がおさまった7時過ぎ、陽の落ちた中、ようやく帰宅できた。寄り道もしないで。