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2013年12月2日月曜日

ウィンター・ワンダーランド

子ども時代、温暖地帯にある当時の家の造りは、今様に密封型ではなかった。ガラス窓と廊下の更に内側に障子で仕切った畳部屋があった。冬の夜になれば、木製の雨戸を閉めるのは必須だった。微かに隙間風がしみ込む部屋を暖めるのに火鉢を置いたりしたが、どれほどの暖房効果があっただろうか。けれど家族が集まれば、それだけで暖かく、交わす言葉にいっそう温もることができた。

今は、建物の構造が変わったし、暖房装置も石油やガスや電気を使うようになって、昔とは考えられない環境になっている。そんな変化の時代をまたいできたからか、懐旧も含めて、古い冬の歌に温もりを覚えるのかもしれない。

それは、興味しんしん眺めては触ろうとするたび親にたしなめられた、テーブルの上のいただき物のようなものだった。ビング・クロスビー(Bing Crosby、1903年5月3日~1977年10月14日)が歌う、「Winter Wonderland」(Richard B. Smith作詞、Felix Bernard作曲、1934年)はそんな歌だった。ワンダーランドの響きは、不思議というより、次々に素晴らしいものが飛び込んでくる憧れと期待の世界でもあったのだ。


(Youtubeに登録のChristmasTimeTVに感謝)