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2013年8月6日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 草取り

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/31)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第17回として、「草取り(김매기)」について紹介された。

まず夏の草取りについて次の紹介から始まった。
・雑草という名の植物はない。育つ環境で花と呼ばれたり、雑草と見られる。夏、農業で最も大切なのは、雑草を除去すること(김매기)だ。炎天に、時に降る天の恵み、こうした夏は穀物にとって、この上ない良い季節と言えるが、雑草にとっても成長に適した気候だ。
農民は、鋭い草で腕をひっかけぬよう長袖を着て、暑い一日肌を隠し、腰をかがめて働く。こうした苦しい草取りの作業を3回ほど繰り返して、ようやく秋の収穫を迎えることができる。辛い作業も、共に声を合わせると、疲れが和らぎ力も沸いてくる。

▼京畿道高陽地方の「山打令(산타령)」を聴く。どこかカラッとして、賑やかで、明るい。(次の解説も参考に)

次に高陽地方の「山打令」に、中国にある山の名が歌われることを次のように解説された。
・京畿道、高陽地方の「山打令」の歌詞に、同地方に実在する山である、コク、チョンバル、コボンの名が登場するが、これらにまぎれて中国河南省洛陽市に在る北邙(북망)山の名が出る。
昔、洛陽は高貴の人が多く住み、死後に葬られる所が北邙山だったことから、北邙山は死後行くところの意を表すようになった。草取り歌に。北邙山がなぜ組入れられたか定かでないが、楽しみながら、また労働の苦しさを和らげるために歌った。

▼忠清道地方の「キンバンア(긴 방아)打令」、「バンア(방아)打令」を聴く。呼応しながらシンプルな旋律の繰り返しは労働の歌らしい・・・若い声(合唱)がいいな。

草取りの効用と済州島の草取り歌について次のように説明された。
・歌いながらする草取りは、雑草を取り除く他に、草が根から抜かれた場所の土がほぐれ、空気の通りを良くし、また水分を十分保つ役割もする。草取りに使う手持ち鍬(호미)の言葉を使って、「手持ち鍬の先に百の稲が生る」とあるほど、草取り作業は重要とされた。
済州島では雑草(검질)を抜きながら歌う「サデソリ(사데소리)」がある。済州島は水田よりも、畑仕事が多く、主に女性が畑で歌った。

▼済州島地方の「雑草取り(검질사데)」を聴く。力強く、たくましさがみなぎっている・・・畑地で次々と女性たちが歌い廻したのだろう。

・・・そうですね、岸さんの言うように、労働の歌を聴くとき、どこかで感謝の気持ちを持つということ、本当にそう思いました。