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2013年7月3日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 扇子

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/26)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第12回として、「扇子(부채)」について紹介された。

まず生活に見る扇子姿を次のように紹介した。
・暑い夏、扇子を片手に真っ白な韓服で、大木の下に座る老人に仙人の風情を感じる。祖母は孫が寝付くまで横でやさしく団扇(うちわ)で扇ぎ、ハエや蚊などを追い払う。また気性の激しいアジュンマたちは、頭にくると胸の前で扇子を激しくあおぎ心を静める。
昔の人々は、使い手のある扇子に八徳(・陽射しを防ぐ徳、・涼しい風を与える徳、・湿気を除く徳、・下に敷いて座る徳、・作りやすい徳、・値段が安い徳、・雨を防ぐ徳、・甕の蓋として使う徳)があると重宝した。

▼「夏の太陽(여름의 태양)」を聴く。陽が射すように、もはやラテン・・・今様である。

国楽で扇子なしには口演できない「パンソリ」について次のように解説した。
・パンソリは、10分から5、6時間におよぶ。歌い手は、テンポをとる伴奏の太鼓(プク)の叩き手コス(고수)と共に、ひとり舞台の中心に立ち、長丁場をこなすため体力と忍耐が必要だ。
そこで、歌い手の支えとなるのが手に持った扇子だ。歌の山場やつらいシーンなどになると、扇子を持つ両手に力を入れ、祈るようにして歌う。また題目によって、「興甫歌」で瓜を割るのこぎり、「沈清歌」で沈清の盲いた父の杖など、様々な小道具としても活躍する。

▼沈清歌の中から「沈清の盲いた父が風呂にはいる題目(심봉사 목욕하는데 )」を聴く。搾り出すようにうなり歌う・・・風呂に入るのに?・・・どうなのだろう。

さらに扇子の使い道について次のように説明した。
・「八徳扇(팔덕선)」は、草の茎を丸く編んだ庶民用の団扇として知られる。パンソリの歌い手が持つ扇子「合竹扇(합죽선)」は、材料に竹が使われて開閉でき、紙の部分に絵や文字などを描いて個性を出す。
紙の代わりにシルクを張った扇子、冬に防寒のため顔を隠して使用する扇子もあった。冬用扇子は、手のかじかみを防ぐため、持ち手に鹿やカワウソの皮を張ったりした。
婚礼の際、新郎が新婦の家に乗馬し行くとき、顔を隠すため使った「郎扇(낭선)」や、両班が葬儀の際、顔を隠し喪中を示すため使った「喪扇(상선)」などが残されている。

▼The 林グループによる「風の音の森(바람소리 숲)」を聴く。描写に富んだ・・・今様である。

(付記)
わたしも親類から扇子をいただいたばかりで、歳に合わせた色合いを選んだとのこと・・・なるほど。