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2013年6月4日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 田植え歌

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/29)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第8回として「田植え」について紹介された。

まず労働謡について次の紹介から始まった。
・古人が共に農作業する際、息を合わせるため「労働謡(노동요)」を歌った。農業は天下の根本と考えられ、地域や季節により様々な農作業の歌が伝承された。うまい歌い手は、仕事ができる人同様に厚遇された。
・「朝鮮王朝実録」の(第7代国王)世祖세조、在位:1455年閏6月11日~1468年9月7日)の実録に、農作業の始まる春に江原道を巡幸し、襄陽(양양)で農作業歌の<のど自慢大会>を主催したという。最高の評価を得た歌い手、奴婢トングリ(동구리)には賞品として、服一着と楽士の資格が与えられ、王の駕籠に付き添うことまで許された。

▼江原道、襄陽の田植え歌「オランソリ(어랑소리)」を聴く。長閑な感じして、まるで田圃のなかで次々歌い手が引き継がれるよう。

次に田植えの共同作業について次のように説明した。
・米作には88の作業が必要といわれ、種籾選びから収穫に至るまで、農民はわが子のように農作物に接する。田植えは、一年の収穫を左右する重要な仕事で、まず種籾を狭所にぎっしり植えて育てた後、田に植替える。直接田に種籾を撒くよりも管理が楽で生産量もアップするからだ。
・以前農村に共同作業体「トゥレ(두레)」があった。人手を多数必要とする田植えの際、家ごとに順番を決め、村中共同で田植えを行なった。田植えをする家は、働きに来た人々のためご馳走を準備した。田植えの日は、村はお祭りのように盛り上がった。

▼京畿道 コヤンの田植え歌「ヨルソリ(열소리)」を聴く。こちらはリーダーの歌のもとに田植えする光景が浮かぶ・・・田圃の水面に青空が映る。

田植え歌のスピードについて次のような解説があった。
・労働謡は、一般的には長短が速く、テンポを速くして作業を速くする。一方、田植え歌は、田植えが明け方から日暮れに続くため、スピードを調節し、音を長く伸ばしたゆっくりなテンポのものが多い。

▼全羅南道 珍島の田植え歌「サンサソリ(상사소리)」を聴く。こちらは威勢がいいというか力強い・・・土地の神に願いを込めるように。

岸さんの言葉、息切れしない生活が大切という・・・本当にそうですね。