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2013年1月5日土曜日

(資料)「山海経」中の九尾狐のこと

イ・ソンヒのヒット曲「狐の嫁入り(여우비)」から、「お天気雨(狐の嫁入り)」のことや「九尾狐」に関心を持って調べてきた。そこで、九尾狐(クミホ:구미호)について、中国最古の地理書といわれる「山海経」(高馬三良訳、平凡社ライブラリー)から次の通り抜き出す。

(本ブログ関連:”狐の嫁入り”、”九尾狐”)

「南山経」
・(青丘之山に)獣がいる。その状は狐の如くで九つの尾、その声は嬰児のよう、よく人を食う。(これを)食ったものは邪気におそわれぬ。

「大荒東経」
・青丘の国あり、九尾の狐がいる。

「東山経」
・鳧麗(ふれい)の山といい。頂上には金・玉多く麓には箴石(はりいし)が多い。その状は狐の如くで九つの尾、九つの首、虎の爪、名は龍[姪]蛭(りょう[てつ]しつ)*。その声は嬰児のよう。これは人を食う。
* 龍: 「龍」の文字の下に「虫」を置く。
※ この獣に、「虎」の体の一部が加わっていることが興味深い。

「海外東経」
・青丘国はその北にあり。その狐は四つの足で九つの尾


なお同書には、狐の姿であるものの九尾でない獣について、次の記述がある。

「東山経」
・獣がいる。その状は狐の如くで魚の翼(ひれ)、名は朱擩(しゅじゅ)*。なくときはわが名よぶ。
・姑逢山といい、草木なく金・玉が多い。獣がいる、その状は狐の如くで翼あり、その声は鴻(はくちょう)、鴈(かり)のよう。その名は撇撇(へいへい)**。これが現れると天下大いに旱(ひでり)する。
* 擩: 偏「 扌」→「犭」に置き換える。
** 撇: 偏「 扌」→「犭」に置き換える。