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2013年1月3日木曜日

李仙姫の名前から(2)

イ・ソンヒの名「ソンヒ(선희)」と同じ名付けについて、次のような統計がある。(이루미작명SYS)

・「選好度: ソンヒ(선희)は、58番目(0.2%)でしばしば使われ、最も多い姓は金である。」
・「性別感: ソンヒ(선희)は、93.57%が女性の名前だ。」
・「出生情報: ソンヒ(선희)は、1985年度に最も多く出生し、ソウル特別市出生の場合が多かった。」

1984年の「江辺歌謡祭」でデビューした翌年、テレビを通じて賑わした彼女の名「ソンヒ(선희)」が多く名づけられたことに因縁があるように思える。彼女の健全なおもむきと名の持つ印象が、当時の都市部生活者に親和性があったのだろう。

(本ブログ関連:"イ・ソンヒという名前")

さて、話しを彼女の名の一文字「仙」の由来から、神仙伝説へイメージを膨らませてみよう。
最近の彼女のヒット曲に、「因縁(인연)」に代表する東洋的な雰囲気を漂わせる傾向があるが、「狐の嫁入り(여우비)」もそのひとつである。ドラマに登場する九尾狐は「山海経」まで遡るという。

・「紀元前2世紀から紀元3世紀頃にかけて中国で著された地理書『山海経』には実在とは思えぬ動植物の項が並んでいるが、その一書「南山経」で、青丘之山に「有獸焉 其狀如狐而九尾 其音如嬰兒 能食人 食者不蠱」*とあるのが九尾の狐に関する最初の記述であるとされる。」(Wikipedia「九尾狐」)

(*)「獣がいる。その状は狐の如くで九つの尾、その声は嬰児のよう、よく人を食う。(これを)食ったものは邪気におそわれぬ。」(高馬三良訳「山海経」)

(本ブログ関連:"Wikipedia「九尾狐」")

この「山海経」は、桃源郷(「桃花源の詩」)の散文を記した陶淵明もマニアだったらしく、「読山海経十三首」の詩を作っている。なるほど、彼が興味深く眺め見たこの書の挿絵には、九尾狐だけでなく不可思議なさまざまな生き物が登場する。

(本ブログ関連:"陶淵明-3")

イ・ソンヒの名前から、神仙の世界へ話しがとんでしまったが、彼女の東洋回帰に合わせてイメージ遊びさせてもらった。

(本ブログ関連:"李仙姫の名前から(1)")