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2013年12月10日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 ソウル

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/4)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第34回として、「古都」を語源とするといわれる「ソウル(서울)」にまつわる話を紹介した。

はじめに、韓国の人口・経済の規模について次のような紹介から始まった。
・世界237カ国(世界銀行統計では229カ国)中、韓国は面積で100位に入らないが、人口4900万人で25位、GDP(国内総生産、2012年基準)1兆1600億ウォン超で15位。朝鮮戦争(韓国戦争)休戦から今年60周年を迎え、現在、首都ソウルは千万人超で世界都市中で10位以内に入る。同時に、山と川に囲まれた自然の恵みのあふれる都市でもある。

▼ 短歌단가)の「鎮国名山(진국명산)」を聴く。四囲を指し示すように歌うのだろう・・・力強い。

・短歌はパンソリを歌う前に、歌い手が喉の緊張をほぐす意味で歌う短い歌だ。「鎭國名山」は、ソウルの地について風水の視点で歌った珍しい一曲で、歌詞は全て漢文調のため、韓国人でも理解が難しいと言われる。

「景福宮の後ろに、高く切り立つように険しい峰が、ハスの花のように天に向かってそびえ立ち、三角山(サムガクサン、삼각산)となる。南側には蠶頭峰(チャムドゥボン、잠두봉:現在の龍山(ヨンサン、용산))がある。駱山(ナクサン、낙산)と仁王山(インワンサン、인왕산)はそれぞれ、左の青龍、右に白虎となって、聖なる気運を発し、それが空中に滲み出しながら宮殿へと集まっている。そのため、優れた人物が多く輩出されるのである。」

▼ 正歌の歌曲の「編数大葉(편수대엽) 鎭國名山」を聴く。こちらはゆるりとして・・・雅(みやび)である。

次にソウルの名の語源について次のように解説された。
・「ソウル」は、古都を指す普通名詞だったという。語源に諸説あって、古代の「ソド」と関連があるというのが有力な説だ。「ソド」は、出入りが厳しく制限されていた神聖な地域を指す言葉で、「ソッデ」という棒を立てて印とした。「ソド」、「ソッデ」が変化し、「ソウル」となったという。語源的「神の土地」の意を持つことになり、韓国歌中に「神様のご加護によってわが国は万代にわたって栄えよう」という一節がある。公式的には、
- 1896年、独立新聞に「ソウル」の言葉が初めて使用され、
- 1946年8月15日、ソウル市憲章が発表され、「ソウル」の名称となった。

▼ 京畿民謡「漢江水打令(한강수타령)」を聴く。水流が速いのか、愛も少々せっかちなのか・・・楽し気だ。

(付記)
K-Wikipediaにあるように、一般に「ソウル」の語源といわれる「新羅系の固有語であったソラボル(서라벌)」と、上記の解説はつながるのだろうか。