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2013年10月1日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 広大

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/25)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第25回として、大道芸人の広大(クァンデ、광대)について紹介した。

まず、広大といわれた人々の紹介から次のように始まった。
・広く大道芸人を指す広大とは、現代の西洋式サーカスのピエロが思い浮かぶが、伝統的な広大は、人々の行きかう通りで楽器を演奏したり、仮面を被って踊った男寺党牌(ナムサダンペ、남사당패)の一団や、綱渡り(チュルタギ、줄타기)を見せたり、笑い話などを聞かせた漫才師たちがいわれた。広大には、パンソリの歌い手も含まれる。朝鮮時代末期、パンソリをまとめた申在孝(신재효、1812年~1884年)は、「広大」という歌を作り、パンソリを歌う広大の条件を示し、「一に人物、二に語り、三に声、四に身振り手振りが必要」と歌っている。

▼短歌「広大歌(광대가)」を聴く。パンソリの重要なキーワードの語りが・・・でもリズムが優先する。

次にパンソリ歌い手に求められる条件を詳しく次のように説明された。
- 「一に人物」は、生まれながらの外見を指す。見目形がいいことよりも、人を相手とするため、好感が持てる顔だったり、様々なパンソリの役に当てはまる、平凡ながらも自在に表情を操れる顔が広大にふさわしい。
- 「二に語り」は、大衆を相手に話したり歌ったりするため、語り上手でなければならない。
- 「三に声」は、パンソリの歌い手としてふさわしい、完成された声を指し、自身の芸事が境地に達した広大にふさわしい声をいう。
- 「四に身振り手振り」は、場面に応じて表現豊かに演じ、登場人物になりきる広大の動きに関する条件だ。
パンソリは一人劇、一人芝居と言われる通り、歌い手にどのような姿が求められているのか想像がつく。

▼パンソリ「赤壁歌(적벽가)」の中から「長承打令(장승타령)」を聴く。随分とドラマチックに聞こえてくる。

最後に、広大の伝統と現状について次のように解説された。
・広大は、人々に笑いや余裕を与えるものの、昔は常に低い身分として差別された。自ら望んで広大になるよりは、引継がれる家業のように伝わった。冷遇された身分ながら、広大たちは練習と訓練にいそしみ、芸を磨きようやく人々の前に立ち、パンソリを伝えることができた。
現在、5大パンソリに発展したのも、こうした広大の努力があったからだ。広大の精神は、国楽が大衆の趣向に合わない現状でも、若い国楽家に伝えられている。

▼「ノモガンネ(넘어갔네)」を聴く。何気ない日常のように、甘く柔らかなフレーズが耳に残る・・・今様である。