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2013年7月24日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 三伏

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/17)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第15回として、(日本の夏の「土用の丑の日」のような)夏の最も暑い時期を意味する「三伏삼복)」について紹介された。

まず、三伏の起源について次のように始まった。
・一番日の長い夏至を過ぎると、本格的な夏が来る。韓国では、特に陰暦の6~7月頃の最も暑い時期を「三伏」といい、「初伏」、「中伏」、「末伏」の三つの日を合わせた言葉だ。また「伏」の字には、人も犬のように地面に這いつくばるの意がある。
陰陽五行で、「夏の火」に対し「秋の鉄」が三度屈服する説もあり、ことわざに、「三伏の期間には唇についたご飯粒も重い」がある。三伏の日は、仕事を休み、山川で涼み、精のつく料理を食べて一日を過ごす。

▼パンソリ「水宮歌(수궁가)」の中から、宴会での「鳥やけものたちの上座争い(날짐승 상좌다툼하는데)」の題目を聴く。パンソリ「兎鼈歌」・・・知恵あるウサギの肝か?

次に、三伏の食習慣(ケジャンクク)について次のように説明された。
・三伏の日に、屋外で食事をすることを、「ポクタリム(복달임)」、または「ポンノリ(복놀이)」といい、スイカやマクワウリの果物、小豆粥を炊いたもの、参鶏湯やケジャンクク(개장국、犬肉の煮込み)を食べた。
朝鮮時代後期の風俗を綴った、1840年前後の「東国歳時記」(洪錫謨著、東洋文庫版より)の旧暦6月の「三伏」の項の「狗醤」に、「狗(イヌ)肉を煮てそれに葱(ネギ)を和し、再びよく煮る。名づけて狗醤(クチャング)という。これに鶏肉や竹筍(タケノコ)をいれれば、更に味がよくなる。狗醤に胡椒をふりかけ、白飯を入れたのを時食として食べる。このようにして発汗すれば、暑気を退け、虚弱を補強するのに効き目がある。だから市中でも、これが多く売られる。」と記している。

(本ブログ関連:"東国歳時記")

・陰陽五行では、犬は東西南北の「西の動物」で、「鉄の気運」を持っており、「夏の火」の気運によって、体中の鉄の気運が溶け出すところ、犬を食べることで、「鉄の気運」を補うと説明する。

▼西道地方の民謡で、「狗打令(개타령)」を聴く。やっぱりイヌの鳴き声、夜も過ぎて朝にもなれば鶏のコケコッコー、何があったのやら・・・。

最後に三伏の日の行事について次のように解説された。
・昔は、休暇や旅行をすることはなく、谷や川辺で冷たい水につかったり、髪を洗ったりすることを行事のひとつと考えられた。ソウルでは、三清洞の井戸の水を飲んだり、川で行水をしたりしたという。この日に、薬水といわれる泉の水で髪を洗うと、病気が去り、できものも良くなると信じられた。そのため、この風習を「水に当たる」ともいう。
人に酷な夏の暑さも、田の稲には、初伏、中伏、末伏の度に一歳年を取るといわれ、ありがたがられた。農夫は、三伏の日に、お餅やチヂミを持って田に行き、豊作を祈願した。また農家では三伏の日の雨を「農事雨」と言い、豊作をもたらすとして歓迎した。暑い日の、かすかに吹く風、暑さを追い払うかのようなにわか雨(소나기)に、ありがたく感じる。

▼「風の花園(바람의 화원)」を聴く。・・・題名の通り今様である。

岸さんのことば、「微かな風、僅かな雨といった、小さな自然の恵みにも感謝の心を持つことが、実は夏を楽しむ方法のひとつかも知れませんね」。