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2013年6月18日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 端午の日

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/12)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第10回として、「端午(단오)の日」について紹介された。

まず、陰陽と端午の日について次の説明から始まった。
・東洋では(古代中国から)、万物が「陰陽」の気の調和で成立し、変化すると信じられた。陰は影、陽は光の意があり、女・男、臣下・王、偶数・奇数などの関係に当てる。
・特に、同じ奇数(陽)が並ぶ月日は意味を持ち(日本では節句)、(以下旧暦)1月1日を正月の「ソルラル(설날)」、3月3日を春の始まる「三巳日(サムジッナル、삼짇날)」、5月5日を夏の始まる端午の日の「戌衣日(スリッナル、수릿날)」という。
・スリッナルのスリには「神」と「高い」の意があり、偉大なる神の太陽神を意味する。燃える陽の夏がきて、農作物がすくすく育つ希望が込められる。今年の端午の日は、6月13日(旧暦5月5日)である。

▼東海岸巫俗(シャーマニズム)音楽の中から「プノリ(푸너리)」を聴く。同じリズムを繰り返して、次第に高揚感を高めていく・・・初源の響きがして。

端午の日の行事について次のような紹介があった。
・この時期、農家は田植えをある程度終え、端午の日に豊作を祈願して様々な行事で一日を過ごす。
・各地に固有の風習が伝承されていて、江原道江陵の「江陵端午祭(강릉단오제)」が最も有名だ。端午の一月ほど前から、神に奉げる神酒を醸し準備を始める。江陵の関門の大関嶺を司る山の神と、村の守護神の城隍神(성황신)に儒教式「祭祀(제사)」を奉げる。端午の日には次の行事も行われる。
- シャーマンの「巫堂(ムーダン、무당)」による、住民の安寧と豊穣を祈願する祭儀「クッ(굿)」が行われる。
- 普段手荒く扱われた役所の奴婢による官奴仮面劇が行われる。仮面劇(タルチュム、탈춤)は、江陵以外にも、殷栗タルチュム、鳳山タルチュム、康翎タルチュム、京畿道の山台劇(サンデノリ)などがある。仮面劇のほとんどは、両班を嘲笑、風刺する内容で、この日だけは両班も見て見ぬふりをしたという。

▼鳳山地域で端午の日に歌われた「トンドルナリ、ラリラドントルリピリ」を聴く。なんとも親和力のある旋律が繰り返され・・・誘われて、口ずさんでしまう。いいなあ。

・さらに、男はシルム(相撲に例えられる)や力自慢などで、女は川に下りて菖蒲湯で髪を洗ったり、村のブランコ(クネ、그네)で遊び楽しんだ。
パンソリの春香歌に、端午の日の様子があり、クネで遊ぶ春香を両班の息子李夢龍が見初めるシーンがある。

▼「春香歌」の中から「春香がブランコに乗る題目」を聴く。・・・初恋ねえ。

岸さんの締めの言葉、「端午の時期は、初々しい初恋の始まりにぴったりの、この上なくよい季節だといえるかもしれませんね」・・・なるほどなるほど。