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2013年3月26日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金明煥

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/20)に、人物シリーズ72回目として、パンソリ(ひとつの物語[例:春香歌]を語りと歌で表現する音楽)の伴奏打楽器に使われるプク(太鼓、북)の名人金明煥(キム・ミョンファン、 김명환)を紹介した。

まずパンソリとプクの関係について解説が始まった。
・パンソリは、プクのリズム(長短)を頼りに物語を展開する。パンソリ界には、「一に鼓手(コス、고수)、二に名唱(ミョンチャン、명창)」という言葉があって、互いに息を合わせる重要性を語っている。
・名唱の影になりがちな中にあって、1978年に鼓手として初めて無形文化財芸能保有者に指定されたのが金明煥である。

▼金明煥のプクによる「春香歌(춘향가)」の中から「恋歌(사랑가)」を聴く。少々、唱者の迫力に・・・というより、抑制するようにリズムをとっているのかな。(宝城[ポソン]ソリ)

次のように金明煥プロフィールが紹介された。
・1913年 全羅南道谷城に生まれる。幼いときからレコードなどで国楽に親しむ。
・東京留学時、父の病のため帰国し結婚。妻の実家でプクを学ぶきっかけを得て、張判介(チョン・パンゲ、장판개)名唱に師事してパンソリとプクを始める。
・1930年代 林承根(イム・バンウル、임방울)名唱の口演に鼓手として正式デビューする。
・戦後、鄭應珉(チョン・ウンミン정응민)を訪ね、「宝城(ポソン)ソリ」を長く学び、伴奏で右に出るものが居ないといわれた。

▼金明煥のプクと、咸洞庭月(ハドンチョンウォル、함동정월)の「チェ・オクサム流カヤグムサンジョ」を聴く。カヤグムとプクの研ぎ澄まされたようなリズムのかけ合いがいい。

(咸洞庭月の業績について語られた・・・「カヤグム(伽耶琴)サンジョ(散調)」の復活を果たす)

▼金明煥の歌による短歌「鎮国名山(진국명산)」を聴く。「山からが良ければこそ立派な人物が生まれる」とソウルの山景を賛美する・・・のだろう。ゆるりと背景を見廻すように歌う。