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2013年2月19日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 アンサンブルシナウィ

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/13)に、人物シリーズ67回目として、2007年に結成された新しい国楽グループ「アンサンブルシナウィ(앙상블 시나위)」を紹介した。

(本ブログ関連:"シナウィ")

「シナウィ」と国楽グループ「アンサンブルシナウィ」の説明から始まった。
・シナウィは、巫俗音楽を起源に持つ、即興の器楽合奏曲を意味する。奏者同士、基本的な部分だけ取り決め、各自オリジナルのメロディーを基本リズムの長短(장단)にのせ演奏する。西洋音楽のようにハーモニーを奏でるのでなく、不規則な演奏ながら調和する。
・最近は、伝統的即興形式によらず、ある程度、固定されたリズムで奏するものが増えた。この伝統を基に、現代に響く音楽を目指して演奏活動するのがアンサンブルシナウィである。

▼「魂のためのカデンツァ」中から、「オンモリ、チュンモリ(엇모리、중모리)」を聴く。亡くなった人の魂を讃える珍島シッキムグッ(씻김굿)を基に再構成されたそうだが・・・聴きやすさに。

次に、アンサンブルシナウィのプロフィールが紹介された。
・2007年 結成。演奏技術と多様なジャンルとの調和を試み、国楽関係者、大衆からも大きな期待を寄せられる。メンバーは、伽耶琴に似るも擦弦楽器の「アジェン(牙筝、아쟁)」のシン・ヒョンシク(신현식、リーダー)、「パンソリ(歌)」のイ・ボングン(이봉근)、「カヤグム伽耶琴가야금)」のハ・セラ(하세라)、「打楽器」のキム・ジヘ(김지혜)、そして異色の経歴を持つ「ピアノ」のチョン・ソンヒ(정송희、作曲)である。
・演劇、ジャズ、舞踊、メディアアートなど多様なジャンルと融合し、現存の5つのパンソリから、広く知られる題目をピックアップし、新しく構成したりする。
・<フュージョン国楽>として、伝統音楽に西洋音楽や大衆音楽をのせる演奏が多い中で、アンサンブルシナウィは、伝統音楽に秘められた、現代に共感できる部分を探し求めている。

(付記)
例えば最近では、オペラ観覧がひとつの音楽鑑賞の地位を持つようになったが、青い目の歌舞伎を見る人がどれだけいるだろうか。音楽大の卒業者が多数になれば、その中の音楽人が、土(つち)に生き受け継がれてきたものを、容易に採譜し再構成して表現するようになるだろうけれど、それを生活者の土(つち)に戻すことはできるだろうか。いったん、すくいとったものは・・・。