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2012年11月6日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 朴松熙

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/31)に、人物シリーズ52回目として、パンソリの歌い手(ソリックン、소리꾼)で、今年85歳になる朴松熙(パク・ソンヒ、박송희、1927年~)を紹介した。
解説の岸さんの熱い語りにいつも感銘を受けます。

まず、「口伝授心」の説明から始まった。
・弟子は「師匠の影は踏んでもならぬ」という、常に師匠に対する尊敬の念を持つ意を込めた言葉がある。伝統音楽の国楽も、口伝えて心を授ける「口伝授心(구전심수)」という、師匠と膝を向かい合わせて、一節一節、聞き取って、師匠の歌をひたむきに守ることを通して確立された。
師匠の存在が格別な存在であったことも分かる。

師匠の教えを守ったパンソリの歌い手、朴松熙の歌を聴く。
▼朴松熙による「興夫歌(흥보가)」の中から、<ノルブ(놀부)の二つ目の瓜から大道芸人たちが出てくる場面>を聴く。こぶとり爺さん、舌切り雀、あるいは金の斧か・・・とにかく元気で威勢がよい。

(本ブログ関連:"興夫歌"、"甫歌")
 
次のように朴松熙のプロフィールが紹介された。
・1927年 全羅南道和順に生まれる。
・10代前半の頃から複数の師匠に師事しパンソリのみならず歌や舞を学ぶ。
・結婚して田舎で農業を営みながら村人に公演などしていたが、夫の死後、ソウルで朴綠珠(パク・ロクジュ、박록주)名唱と出会い、「春香歌(춘향가)」、「興夫歌」、今は忘れ去られた幻のパンソリ「淑英娘子傳숙영낭자전)」など学ぶ。
・また朴鳳述(パク・ボンスル、박봉술)名唱から「赤壁歌」の伝承を受ける。

▼朴松熙による「赤壁歌(적벽가)」の中から、「軍士点考(군사점고)」を聴く。歌というより語り・・・。
・中国三国志に由来する赤壁歌だが、歌中に韓国固有の情緒が(空想により)込められている。

・2002年、パンソリ、フンボガの芸能保有者として指定され、伝承が絶えたといわれている「淑英娘子傳」などを音源として残した。

▼朴松熙による「淑英娘子傳」の中から、<仙君(선군)が淑英(숙영)を恋い慕う題>を聴く。夢と現実が交流し・・・現実に救われる不思議な話。物語伝承として聴きたい。