ブログ本文&資料

2012年8月6日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 朴大成

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/1)に、人物シリーズ39回目として弦をこする擦弦楽器アジェン(牙筝、아쟁)の演奏家、「生きている伝説の人物」朴大成(パク・デソン、박대성)(1938年~)を紹介した。
いつもながら充実した解説に感謝して楽しく聞かせていただいている。

まず牙筝の復習・解説から始まった。
・日本の琴に似た、韓国の楽器の伽耶琴(カヤグム:가야금)や玄琴コムンゴ:거문고)と同じく床に置いて演奏する。これらより一回り大きいため、国楽器中、最も低い音を出す。演奏法は、弦を手やばちではじいたりせず、(松脂を塗った)レンギョウの木の棒を使って、弦を擦すり音を出すのが特徴。
合奏では独特な低音で、他の楽器の旋律を支える存在だが、独奏の場合は、心の奥深くに積もった悲しみを引き出すような切ない音を醸し出す。

▼朴大成ほか演奏による「歳月(세월)」を聴く。情感がこもり、かつ瞑想的である。本来独奏楽器なのか、それとも合奏楽器なのか、あるいは伴奏楽器なのか・・・。

次のように朴大成のプロフィールが紹介された。
・1938年6月25日 珍島の(錚々たる)音楽・芸術一家に生まれ、長い間、釜山で音楽活動を続ける。
・1960年代後半 牙筝散調*を初めて作り出したハン・イルソプ(한일섭、1929年~1973年)について学ぶ。
  → (*)アジェンを小型化した楽器のこと?
・1980年代後半~90年代 日本に渡り生活した時期もある。
長い海外生活の後、帰郷したが、韓国は彼の知っていた頃の姿とは見違えるほど変わっていた。地方ごとに国楽管弦楽団が設立されていて、さらに若い演奏家たちは国楽器を利用して、現代風な創作音楽を作り出していた現代の国楽界は、伝統音楽しか知らない年老いた演奏家が溶け込むには少し難しいところがあったかもしれないけれど、朴大成の音楽が発表されるやいなや、国楽愛好家たちの間に瞬く間にうわさが広がり、彼の名が一躍脚光を浴びることとなった。
・2005年 CD「朴大成の国楽の世界(박대성의 국악세계)」がきっかけとなり、その名が一般に知られる。

▼朴大成ほか演奏による「牙筝散調(アジェンサンジョ、아쟁산조 )、晋陽調(チニャンジョ、진양조)」を聴く。まるで歌っているようで・・・こちらは自然な感じがする。

▼朴大成ほか演奏による「牙筝散調(アジェンサンジョ、아쟁산조 )、チャジンモリ(자진모리)」を聴く。軽快*で楽しく聞けそう。
  → (*)テンポは、「チニャンジョ(진양조)」(6拍)<「チュンモリ(중모리)」<「チュンジュンモリ(중중모리)」<「チャジンモリ(자진모리)」の順に速くなる。