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2011年8月17日水曜日

夏の終わり

夏の終わりといっても、感傷的なはなしではなくて、あと数日で気温が落ち着き始めるそうだ。子ども時代に、夏休みの終わりを切実に感じたのは、8月後半に鳴くツクツク法師やヒグラシ(カナカナ)の蝉の声だろう。
小学校低学年の頃、遊び疲れてそのまま寝てしまい、夕陽と一緒にツクツク法師やヒグラシの鳴き声が差し込んでくるのを、畳に頭を着けたまま感じたことがあった。それに台所から、母親がまな板の上で食材を包丁でコトコト切っている、夕食準備の音が聞こえてくる。まどろみの世界にいて、ぼんやりと辺りをうかがっている。

当地は、意外に百日紅(さるすべり)の木が多く、花を咲かせている。薄青を混ぜたようなピンク色の花弁の色合いは、落ち着いていて、小さな花弁が木を覆うように咲き、林立すると、まるで桃源郷のようである。特に、近所の踏切り際にある、百日紅の植木園は圧巻である。