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2011年1月9日日曜日

石の世界(3)

入れ子になっている石

ロシアの入れ子人形「マトリョーシカ」は、中空の入れ子構造になっていて、内側に我が身と相似の小型の人形が次々収まるようになっている。どこまで入れ子が繰り返されるのかと戸惑ったりする。
世界を細分化した先に途方もない世界がまた広がっているという、輪廻に似た無限の循環を空想したりしたことはないだろうか。手塚治虫の漫画「火の鳥」にも、入れ子に循環する宇宙が描かれていたように記憶する。
尾崎放哉は随筆「」に、「私はしばしば、真面目な人々から、山の中に在る石が児を産む、小さい石ツころを産む話を聞きました。」と伝聞している。

石の中に見えるもの

「水晶」に細い草が入っているように見える「草入り水晶」は、実は「緑泥石」などを内包したものだが、どう見ても水晶中に草が在るようにしか思えない。昔の人が草入りと考えたのは自然だ。石と生命体が共存するという、人知の及ばぬものを見た驚きもあっただろう。
そこで、石の中に草以上のものの存在を想像する。例えば、「水入り瑪瑙」という決して珍しくない構造に、そこに魚がいると幻想するのもおかしくはない。
子どもにとっては、魔女が水晶球を通して、彼方の世界を覗き見ているほうが分かりやすいけれど。

(本ブログ関連:”石の世界”、”石の世界(2)”、”結晶世界の夢”)

★★★★★ 孫が、母方の家族と一緒に沼津漁港に行き、夕日の海を凛々しく眺めている写真が届いた ★★★★★