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2009年10月30日金曜日

「ハン」

韓国文化院で開かれた講演会「『ハン』とは何か」(講師:公共哲学共働研究所長 金泰昌〔キム・テチャン〕氏)に行く。(講演会は2回あり、今回は1回目である)
タイトルの通り一般向けに、「ハン」の概念を歴史とからめて紐解いてくれた。「ハン」には「恒」と「恨」があることが説明された。
・「恒」は、「一、多、中、大、凡(およそ)」の意を持ち、「韓(はん)」につながる。(ちなみに「漢」は、一、大の意のみ)
・「恨」は、「忄(心)」に「(とどまる)」の文字で、内向きに我慢するの意である。
「ハン」といえば「恨」の文字を浮かべてしまいがちだが、今回の講演では「恒」の意義を中心に紹介された。次回講演では「恨」についても説明していただければと思った。
講演の終わりに、日本では「恨」の文字の方がポピュラーであると思うが、その理由について興味深い解説をしてくれた。それは、韓国の民衆神学が生まれた当時の軍事政権に反対する人たちに連動して、日本の一部インテリが「恨」の文字を強調したためではないかということだった。また神保町にある某書店の国語辞典に、いまだにその残渣があるような指摘をされた。